(英エコノミスト誌 2010年5月1日号) ギリシャ危機をきっかけに、金融市場に対する見当違いの攻撃が増えている。 伝説によれば、米国の名高い銀行強盗ウィリー・サットンは、「そこにカネがあるから」という理由で銀行を狙ったという。欧州の政治家もそれくらい合理的だったらよいのだが・・・。 ユーロ圏は今、経済全体を悲惨な状況に追い込みかねないほど厄介なソブリン債の信用収縮の脅威にさらされている。 これを回避するには、多額の負債を抱える国々が高コストに耐えかねて立ちゆかなくなる事態を防ぎつつ、国債の償還を続けられるように、金融市場の信頼を維持(ギリシャの場合は回復)しなければならない。 ユーロ圏諸国は連帯という言葉を盛んに口にするが、各国の納税者は自主的に近隣諸国を助けるために税金を払うことはできないし、しようとも思わないだろう。要するに、欧州はこの窮地から抜け出すために、市場の助けを必要としてい