今回の主役はリチウムイオン電池メーカーである。リチウムイオン電池と言えば、日本が世界に誇る最先端の技術。ところが、ここでも存在感のあるメーカーが中国に育ち始めている。 その1社が、天津市にある天津市捷威動力工業だ。日経ビジネス2011年1月31日号の特集「急速浮上!中国エコカンパニー」でも紹介した同社は、「中国リチウム電池の父」と呼ばれる人物が率いることで知られている。人材、技術、設備と三拍子揃った新興企業の戦略に迫る。 「中国リチウム電池の父」――。 そう呼ばれ、中国の電池業界で一目置かれる人物がいる。新興のリチウムイオン電池メーカー、天津市捷威動力工業(天津市)の総裁兼董事長を勤める郭春泰(グオ・チュンタイ)博士である。 郭博士は、中国で国産リチウム電池の実用化に貢献したことで知られ、大手電機メーカー・TCL集団の電池子会社でトップを務めた経歴を持つ。郭博士が2009年に天津捷威に引き
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