(英エコノミスト誌 2011年11月19日号) 日本経済は悲観論者が考えているよりもうまく回っている。少なくとも、高齢者にとっては・・・。 日本人は自分たちが「構造的悲観主義」と呼ばれる経済病にかかっていると言う。海外でも日本のことを、ユーロ圏や米国の経済が今後見舞われる凶事の前触れと見なす傾向がある。11月14日に発表された統計が、日本経済が第3四半期に年率6%の成長を遂げ、3月の津波と原発事故から急速に立ち直りつつあることを示したにもかかわらず、だ。 しかし、過去10年間の日本の経済動向を冷静に見ると、最初の「失われた10年」はともかく、「2度目の失われた10年」という表現は適切でない。日本のイメージを悪くしている原因の大半は、人口動態(人口の半分以上が45歳以上)および少子高齢化に対するお粗末な政策がもたらした結果だ。それでも日本人の大半はこの10年間でより豊かになった。 1人当たり