30年以上も宇宙を旅する「探査機」がある。 「ボイジャー1号」、そして「ボイジャー2号」である。 1号はすでに「太陽系」を脱出したと考えられ、2号はその脱出の途上にあるとみられている。 太陽からの距離は1号が約177億km、2号が約144億km。想像すら及ばないほど遠い旅路にある。 さらに両者は、今なお弾丸の10倍以上という超高速で旅路を邁進し続けている(1号・時速6万1,000km以上、2号・時速5万5,000km以上)。 この遠大なる旅が始まったのは、今から34年前(1977)。 そのミッションは「惑星グランド・ツアー」と名付けられた。 「グランド・ツアー」という言葉は、もともとイギリスの裕福な貴族の子供たちが、学業の終了とともに行う海外旅行で、主な行き先はフランスやイタリアであったという(18~19世紀)。 それに対して、ボイジャーの「グランド・ツアー」はスケールの桁が違い過ぎる。