タグ

ブックマーク / movie.maeda-y.com (16)

  • 超映画批評「進撃の巨人 ATTACK ON TITAN エンド オブ ザ ワールド」30点(100点満点中)

    「進撃の巨人 ATTACK ON TITAN エンド オブ ザ ワールド」30点(100点満点中) 監督:樋口真嗣 出演:三浦春馬 長谷川博己 水原希子 ファンをないがしろにした報い 諫山創の人気漫画の実写映画版として期待されていた前編「進撃の巨人 ATTACK ON TITAN」は、当サイトの批評文に樋口真嗣監督が激しく反応したことで炎上騒動を巻き起こした。関係者やスタッフの度重なる燃料投下でそれは大火となり、結果として初動50億の興収を期待されながらいまだ30億程度と、ファンにそっぽを向かれる結果を招いた。今頃映画会社の偉い人たちは、頭を抱えていることだろう。 100年以上ぶりに現れた人い巨人たち。崩壊した壁を修復すべく調査兵団が奮闘する中、アルミン(郷奏多)をかばったエレン(三浦春馬)はなぜか巨人化し、他の巨人を攻撃し始めた。それを見た人類側の生き残りは、敵か味方かわからぬエレン

  • 超映画批評「おおかみこどもの雨と雪」40点(100点満点中)

    「おおかみこどもの雨と雪」40点(100点満点中) 2012年7月21日公開 全国東宝系 2012年/日/カラー/117分/配給:東宝 監督・脚・原作:細田守 脚:奥寺佐渡子 キャラクターデザイン:貞義行 声の出演 宮崎あおい 大沢たかお 黒木華 西井幸人 林原めぐみ 意欲的な試みも不協和に終わる 細田守監督の最新作は、おとぎ話のなかにリアルな出産子育ての物語を入れ込むという、極めて意欲的な作品である。 これを監督は、子供たちにとっては楽しいおとぎ話、若者にとっては、子育ての驚きと憧れ、そして親たちには子供の成長を懐かしがれるようにと、全年齢向けにアピールすべく脚を作り上げた。 だが、それらはもともと混ざり合うことのできない要素であった。また、その試みにアニメーションというジャンルや彼のタッチが適切だったかについても疑問が残る。 大学生の花(声:宮崎あおい)が恋に落ちた男性は狼男

    amanoiwato
    amanoiwato 2015/07/13
    『この監督が出産子育てを経験したことがあるのかどうか知らないが、作品を見る限りではどうもそれらを想像メインで描いているような、表層的なものを感じてしまう』
  • 超映画批評「STAND BY ME ドラえもん」55点(100点満点中)

    「STAND BY ME ドラえもん」55点(100点満点中) 監督:八木竜一声の 出演:水田わさび 大原めぐみ 原作のいいところ全部入りだが ピクサー超えまで視野にいれ、日最良というべき原作のCGアニメ化に挑んだ「STAND BY ME ドラえもん」だが、彼らの前にはピクサー以前に藤子・F・不二雄という高い壁が立ちふさがっていた。 ダメ少年のび太(声・大原めぐみ)の前に、22世紀から子孫を名乗るセワシ(声・松さち)がタイムマシンに乗って現れた。なんでも大人になったのび太のこしらえた借金のせいでひどい目に合っているのだという。そこで彼は、嫌がるネコ型ロボットドラえもん(声・水田わさび)を強制的にプログラムしてのび太の世話役に置いていくというのだった。 この映画の問題点ははっきりしていて、それは総集編では決してないのに総集編感がきわめて強く感じられるという一点にある。 原作のいいとこ取り

    amanoiwato
    amanoiwato 2015/01/05
    『映像技術はドラえもんを創造した原作者の想像力をすらこえるほどに発達したというのに、この映画はその原作の感動に遙か及ばない』
  • 超映画批評『カポーティ』70点(100点満点中)

    『カポーティ』70点(100点満点中) 他人の人生にかかわる怖さを描いた、見ごたえあるドラマ トルーマン・カポーティという人は、ノンフィクション小説のパイオニア。彼が、1959年におきたカンザス州一家4人惨殺事件の犯人に獄中取材し書き上げた『冷血』は、大ベストセラーとなり、世間に衝撃を与えた。映画『カポーティ』は、その執筆過程を丹念に追った伝記ドラマだ。 1960年、殺人犯スミス(クリフトン・コリンズ・Jr)の存在を知った作家カポーティ(フィリップ・シーモア・ホフマン)は、彼が起こした事件を次回作の小説にすべく、何度も接触を試みる。彼は、親身になって話を聞いてやり、やがてスミスに心を開かせることに成功する。ところがカポーティはその裏で、彼を信頼して真実を打ち明けたスミスを裏切るような内容の小説を書いていた。 できれば題材となっているカポーティの小説『冷血』や、彼の盟友であるネル・ハーパー・

    amanoiwato
    amanoiwato 2015/01/04
    『その天才が、「普通の人」のような人間性を得たときどうなるか。この映画の結末は、それを衝撃的な形で提示する』
  • 超映画批評「ルパン三世」3点(100点満点中)

    「ルパン三世」3点(100点満点中) 監督:北村龍平 出演:小栗旬 玉山鉄二 珍映画史・新たなる伝説 邦画における「漫画原作の映画化」において、珍作ということで必ず話題に上るのが「ルパン三世 念力珍作戦」(74年)である。何十年たっても語り継がれるほど難しい題材なのに、それをまた実写にしようというのだからよほどの自信があるのだろうと思われたが、ふたを開ければ念力珍作戦を上回るトンデモ映画であった。 若き大泥棒ルパン三世(小栗旬)は泣く子も黙る大泥棒だが、峰不二子(黒木メイサ)を救うため、せっかく盗んだ大事なお宝を簡単に手放すほど情に厚い男。ところがその優しさを利用され裏切られたばかりか、大恩あるドーソン(ニック・テイト)の命まで奪われてしまう。そんなルパンは信用できそうな次元(玉山鉄二)と組み、さらに石川五ェ門(綾野剛)を呼び寄せ秘宝をめぐる復讐戦に挑む。 キャスティングはどうあれ、「念力

    超映画批評「ルパン三世」3点(100点満点中)
  • 超映画批評「そして父になる」75点(100点満点中)

    「そして父になる」75点(100点満点中) 監督:是枝裕和 出演:福山雅治 尾野真千子 傑作だが考え方には異論も イクメンなどという言葉が生まれ、お父さんが積極的に育児にかかわることが珍しくない今の時代。だが、どんな大人だって最初から親だったわけではない。私は、子供たちには早めに知っておいてほしいことだと思っているが、あなたたちが生まれる前は父も母も「親」ではない、ただのおじさんおばさんだったのである。 そんなただのおじさんが「父」になる瞬間、過程を描いた「そして父になる」は、福山雅治にあて書きされたオリジナル脚。福山がただのおじさんかどうかは別として、いまどきこうした地味な企画を映画の形にできるだけでも、是枝裕和という人物は大した監督である。 勝ち組人生を歩んできたエリートサラリーマンの野々宮(福山雅治)は、6歳になる息子の慶多(二宮慶多)がお受験で優秀さを見せても、優しすぎて覇気のな

    amanoiwato
    amanoiwato 2014/01/13
    後半の意見にやや異議あり。
  • 超映画批評「R100」60点(100点満点中)

    「R100」60点(100点満点中) 監督:松人志 出演:大森南朋 大地真央 やっかいすぎる最新作 松人志監督最新作「R100」の興行成績が芳しくないと、あちこちで話題である。アクの強い映画を作って、うまいこと当たればなお良しと期待する部分も無いことはないだろうが、普通に考えればこれだけハチャメチャやり続けている松映画に一般受けは期待できない。そんなことは業界人なら100も承知で、大コケ報道それ自体がパブリシティの一環ではとか、監督自身を追い込むMプレイじゃないかとか、いろいろと考えてしまう奇妙な事態である。 中年サラリーマン片山貴文(大森南朋)は、怪しげなSMクラブに入会する。それは、契約期間1年間の間は24時間いつ女王様がやってきてプレイ開始となるかわからないという、究極のプレイであった。さまざまなタイプの女王さまがやってきて過激プレイを繰り広げるサービスに、当初はM心を満足させ

  • 超映画批評『デビルマン』2点(100点満点中)

    『デビルマン』2点(100点満点中) ポスターだけはいい映画 永井豪の代表作を、VFXを駆使したスペクタクルシーン満載で描いた映画化作品。 高校生の不動明(伊崎央登)は、親友の飛鳥了(伊崎右典)の家で、彼の父親が研究していた地球の先住民族デーモンのひとりに合体されてしまう。しかし、強靭な意志により精神をのっとられずにすんだ明は逆にデーモンの超能力を獲得、恋人美樹の生きる世界を守るため、地球を征服しようとするデーモン一族に戦いを挑む。 一般に広く知られている『デビルマン』は、恐らくTVアニメ版の方だろう。主人公不動明はデーモンに体をのっとられてしまうが、そのデーモンが人間の美樹に恋してしまったがために、仲間のデーモンにたった一人反旗を翻し、悲壮な戦いを挑むという愛のストーリーだ。傑作の主題歌と合わせ、今でも覚えている人は多かろう。 さて、まず最初に注意すべきは、映画版の原作となっているのはこ

  • 超映画批評「ガッチャマン」4点(100点満点中)

    「ガッチャマン」4点(100点満点中) Gatchaman 2013年8月24日公開 全国東宝系 2013年/日/カラー/113分/配給:東宝 原作:竜の子プロダクション 監督:佐藤東弥 脚:渡辺雄介 スタントコーディネーター:小池達朗 キャラクターデザイン:荒牧伸志(『APPLESEED』監督) VFX:白組 キャスト:松坂桃李 綾野剛 剛力彩芽 濱田龍臣 鈴木亮平 光石研 剛力ジュンが、原作ファンを過激に挑発 先ほど更新した「スター・トレック イントゥ・ダークネス」の記事で、「邦画エンタテイメントはハリウッドに比べて社会問題をテーマにするのが下手」と述べたが、その典型例がこれである。しかも、娯楽と時事性を高度に両立させて国の批評家筋から高い評価を得た前者と同週公開とは皮肉である。 21世紀初頭、侵略者ギャラクターにより地球の半分が壊滅した。彼らに対抗できるのは「石」の力を引き出せ

  • 超映画批評『英国王のスピーチ』75点(100点満点中)

    『英国王のスピーチ』75点(100点満点中) The King’s Speech 2011年2月26日、TOHOシネマズシャンテ、Bunkamuraル・シネマ他全国順次ロードショー 2010年/イギリス・オーストラリア/カラー/118分/配給:ギャガ 監督:トム・フーパー 脚:デヴィッド・サイドラー 出演:コリン・ファース ヘレナ・ボナム=カーター ジェフリー・ラッシュ ガイ・ピアース ≪アカデミー賞受賞も当然≫ 「英国王のスピーチ」は、「ソーシャル・ネットワーク」との一騎打ちを制してアカデミー賞の主要部門を独占した話題作だ。日では早くも終わコン臭がぷんぷん漂うFacebookの時代遅れ感に比べれば、数十年前の史実を描きながらもきわめて現代的な比喩を持つ作がアカデミー賞を受賞したのは当然であろう。私としても見終わった瞬間、出来の良しあしとは関係なく「ああ、今年はこれだな」と確信を持っ

  • 超映画批評『隣の家の少女』70点(100点満点中)

    『隣の家の少女』70点(100点満点中) THE GIRL NEXT DOOR 2010年3月13日(土)~4月9日(金)シアターN渋谷にてレイトロードショー 07年アメリカ/91分/配給:キングレコード=iae 監督: グレゴリー・M・ウィルソン 原作:ジャック・ケッチャム 出演:ブライス・オーファース ダニエル・マンチ ブランチ・ベイカー 心を傷つけるおそれのある犯罪映画 少女を監禁して筆舌に尽くせぬ虐待をした事件といえば、日人なら誰でもあの悲劇を思い出すことだろう。だが、世界に冠たる犯罪大国アメリカにも当然のこと、類似の事件がないはずはなく、シルヴィア・ライケンス事件という65年におきた痛ましいケースが有名である。かつてエレン・ペイジ主演で映画化もされているが、『隣の家の少女』はこの実在の事件を大きくアレンジした犯罪ドラマだ。 58年のアメリカ。自然豊かな郊外で暮らす12歳の少年デ

  • 超映画批評『ザ・コーヴ』60点(100点満点中)

    『ザ・コーヴ』60点(100点満点中) The Cove 2010年7月3日よりシアター・イメージフォーラムほか全国順次ロードショー 2009年/アメリカ/カラー/91分/配給:アンプラグド 監督:ルイ・シホヨス 製作総指揮:ジム・クラーク 脚:マーク・モンロー リック・オバリー ルイ・シホヨス ≪偽善者ホイホイ≫ 和歌山県・太地町で行われているイルカの追い込み漁を止めようとする、反捕鯨活動家たちのアウトローな活躍の姿を、けれん味たっぷりの演出で描いたドキュメンタリー。冗談好きなオスカー会員たちの悪ふざけか何かで、アカデミー長編ドキュメンタリー賞を受賞した話題作だ。多数の捕鯨反対派へのインタビューと、太地町のイルカ捕殺現場への侵入アクションで構成されている。 なおこの点数はトンデモ映画として見た場合のものであり、内容の正確性への評価は一切含まれていない。 いきなりだが、私と「ザ・コーヴ」

  • 超映画批評「コンクリート」10点(100点満点中)

    『コンクリート』10点(100点満点中) 売り手側の色気をすべて見透かされた 1989年に東京の足立区で実際に起きた、日犯罪史上に残る凶悪事件『女子高生コンクリート詰め殺人事件』を映画化した作品。東京・銀座シネパトスで公開予定だったが、映画化を知った人々の間に反対運動が巻き起こり、上映中止に追い込まれた。来、今週末の劇場公開作品を先行紹介するのがこのサイトの基方針だが、この作品については読者からの要望が特別に強かったため、例外的に紹介することにした。 上映館の銀座シネパトスには、電話やFAX等で反対意見が寄せられたというが、なぜ映画『コンクリート』はここまで人々の強い反感を買ってしまったのか。実在の殺人事件の犯人側をリアルに描いた映画だからか? ……いや、違うだろう。そうした映画は、米国のコロンバイン高校銃乱射事件の犯人たちの周辺を描いた『エレファント』をはじめ、この1,2年だけでも

  • 超映画批評『余命1ヶ月の花嫁』30点(100点満点中)

    『余命1ヶ月の花嫁』30点(100点満点中) 2009年5月9日(土)より、全国東宝系ロードショー 2009年/日/カラー/129分/配給:東宝 監督:廣木隆一 プロデューサー:平野隆 共同プロデューサー:下田淳行 辻珠子 脚:斉藤ひろし 企画協力:島田喜広 吉田啓良 樫元照幸 出演:榮倉奈々、瑛太、手塚理美 有名美談の映画化も、全体に遠慮がちで見るべきものは少ない 『余命1ヶ月の花嫁』とは、なかなか目を引くタイトルだ。最初にテレビ放映されたとき、その驚くべきエピソードがドキュメンタリー、すなわち実話と知った人々は大きな衝撃を受けた。そこから始まった一連のムーブメントは、ついにこの劇映画化を実現させるにいたった。 イベントコンパニオンの長島千恵(榮倉奈々)は、ある展示会で知り合った赤須太郎(瑛太)とやがて付き合い始める。だが千恵には、乳がんを宣告され乳房を失うことになるという深刻な悩

  • 超映画批評『ヤッターマン』85点(100点満点中)

    『ヤッターマン』85点(100点満点中) 2009年3月7日(土)より、全国ロードショー 2009年/日/カラー/111分/配給:松竹、日活 監督:三池崇史、原作:竜の子プロダクション、脚:十川 誠志 出演:櫻井 翔、福田沙紀、生瀬勝久、ケンドーコバヤシ、深田恭子 フカキョンドロンジョは、歴史に残る名ヒロイン 日映画界には妙な癖があって、到底実写じゃ成立しないような漫画・アニメ作品ばかり、なぜか好んで映像化する。ゴルゴ13、ルパン三世、デビルマン、そして二十世紀少年……。 その多くは事前に誰もが予想した通り、まれに見る珍作へと仕上がり、ダメ好きマニアの語り草となる。もはや、この国のお家芸といっても過言ではない。 しかし、ヤッターマンの映画化企画までもが気だったとは、さすがの私も予想だにしなかった。ましてや、興収50億を狙える記録的な大ヒットスタートになろうとは。映画業界は変人ばか

  • 超映画批評『おくりびと』90点(100点満点中)

    『おくりびと』90点(100点満点中) Departures 2008年9月13日(土)より、丸の内プラゼ-ルほか全国ロードショー 2008年/日/カラー/130分/配給:松竹 監督:滝田洋二郎 脚:小山薫堂 音楽:久石譲 出演:木雅弘、広末涼子、山崎努、余貴美子 納棺師の仕事を描いた格作品 ヴェネチアが大カントクにリップサービスしているのを真に受けて、日のマスコミはそちらばかり報道していたが、真に注目すべきはモントリオール世界映画祭だった。ここでグランプリを受賞した『おくりびと』こそ、まさしく世界に誇るべき日映画の傑作である。 念願だったチェロ奏者になった途端オーケストラが解散、莫大な借金を残し失業した大悟(木雅弘)は、夢をあきらめ故郷の山形に戻った。それでも優しいけなげなの美香(広末涼子)のため、少しでも高給の仕事を探していた彼は、一つの求人広告に目をとめる。"旅のお手

  • 1