奈良時代に古事記を編さんした太安万侶(おおのやすまろ)の墓で見つかった墓誌に、これまでに確認されている名前などの文字に沿って、同じ内容を記した別の文字が毛筆で書かれていたことが分かり、誰が何のために書いたのか議論になりそうです。 太安万侶は、今からちょうど1300年前の西暦712年に古事記を完成させた奈良時代の役人で、昭和54年に奈良市内で見つかった墓には、縦およそ30センチ、横6センチの銅製の板で作られた墓誌が残されていました。 この墓誌は、表面に「太朝臣安萬侶(おおの・あそん・やすまろ)」という名前や埋葬した日付などの41文字が2行にわたって刻まれ、国の重要文化財に指定されています。 古事記編さん1300年に合わせて、奈良県立橿原考古学研究所がレーザー光線で形を精密に測定する装置を使って、改めて調査したところ、刻まれた文字のすぐ左脇に、表面がさびた状態で、極めて細い文字の痕跡が残ってい