多くの企業はバブル崩壊後の苦境を脱し、好業績をあげはじめている。しかし、その一方で、労働相談・労働事件は増え続け、職場での「いじめ」が急増していると言う。現在の職場で起こっていることはいった何なのか。前回に引き続き日本労働弁護団事務局次長棗一郎弁護士に聞いた。 ――最近の労働相談・労働事件はどの様な傾向がありますか。 日本労働弁護団が労働相談活動を始めたのが、バブル経済が崩壊して、リストラの嵐が吹き荒れた93年からです。最近では、年間に2400~500件ぐらい平均で来ていますが、弁護団の相談体勢のキャパシティの限界といったところです。相談の中身については、リストラ・退職の相談、長時間残業の相談、成果主義による賃金の一方的なカット。この3種類の相談で7割を占めるんです。そして、これまではリストラ・退職の相談が一貫して多かった。 しかし、2004年に長時間労働・残業の相談がトップになったんです