この夏、私はアフリカのスーダンとウガンダを訪れました。連載第2弾は、スーダンで取材した紛争後の「復興支援」の現状と未来についてです。 スーダンは何十年もの間、国内紛争に悩まされてきました。これまでに200万人以上の国民が紛争で亡くなったといわれています。80年代以降は、紛争問題が原因で、日本を含め先進国からの援助も事実上ストップし、スーダンの平和と近代化の針はずっと止まったままでした。 2005年、スーダン南部での紛争に終止符が打たれ、和平協定が成立しました。平和と近代化の針がこのときから再び動き始め、国連機関や世界各国の援助機関、NGOらが荒れ果てたスーダンの再生の手伝いを始めました。 今回、お話をおうかがいするJICA(国際協力機構)の宍戸健一スーダン事務所長は、2年前からスーダンに赴任され、JICAの協力の陣頭指揮をとってきました。それまでガーナでも国際協力をされてきたアフリカ
【イスラマバード=笠原健】岡田克也外相は12日午後(日本時間同日夜)、イスラマバード市内の大統領府で、パキスタンのザルダリ大統領と会談し、アジアを非核地帯とすべきとの考えを提唱した。 岡田氏は会談で、中国・北京で開かれた日中韓3カ国首脳会談について「(3カ国は)過去の関係を乗り越えて結束していこうということを確認した。印パ関係も同じように南アジアの安定に寄与するように協力してほしい」との述べ、事実上の核保有国であるパキスタンとインドが緊張状態緩和に向けて動き出すべきだとの認識を示した。 これに対して、ザルダリ大統領は「南アジア非核地帯の実現に向けて努力したい。日本もインドを説得してほしい」「インドの国防費はパキスタンの予算全体よりも大きい」との見解を表明。これに対して、岡田氏は「インドの国防費の拡大は中国をにらんだものだ」との認識を示した上で、「オバマ米大統領は核のない世界を提唱したが、自
パキスタンを訪問している岡田克也外相は12日午後(日本時間同日夕)、イスラマバードでザルダリ大統領と会談し、テロとの戦いを進めるパキスタンの立場を高く評価、電力供給や経済面での支援を強化する方針を表明した。アフガニスタンの隣国で国際テロ対策に重要な位置を占めるパキスタンの安定化がアフガン復興支援にも欠かせないと判断した。 これに先立ち会談したギラニ首相は来年1月に期限が切れる海上自衛隊によるインド洋での給油活動の継続を要請。岡田氏は「期限切れ後の対応をいろいろ検討している」と述べるにとどめた。 大統領との会談で岡田氏は「核のないアジアを提唱している」と核廃絶に向けた努力を求めたが、大統領は「南アジア非核化地帯の実現に努力したいがインドの説得が必要だ」と消極姿勢を示した。 岡田氏はクレシ外相とも会談。連立を組む社民党が給油延長に反対していることなどを挙げ「単純延長は難しい」とする日本政府の立
最高益 ゴールドマン・サックスのような「TBTF(too big to fail)」は今や、リスクを取らずに儲けを総取りできる(ニューヨークの本社、08年10月23日) Brendan McDermid-Reuters 強過ぎる金融界は、アメリカ建国以来の問題だった。建国の父たちは、自立した農民と小規模な貿易商による共和制を思い描いていた。ニューヨークが、金融資本と政治資本が一体となって富を崇拝するロンドンのような都市になることだけは避けたかった。 だからこそ、中央銀行の創設には激しい抵抗があり、英イングランド銀行のように強力な中央銀行は今もアメリカにはない(2度つくられて2度ともつぶされた)。1913年に連邦準備制度が発足したときも、猜疑の目で見られたものだ。ウォール街に対する政府の規制も、大恐慌以降70年代までは至って厳格だった。 だが、金融史上でも最大級の危機からわずか1年しかたって
【イスタンブール=吉村英輝】3日午後(日本時間同日夜)に開幕した先進7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)は、予定されている実質的な討議時間が3時間という「近年、例をみない」(交渉筋)短時間会合となる。20カ国・地域(G20)金融サミット(首脳会合)が開かれたばかりで、新たな合意事項を打ち出すことも難しく、共同声明が見送られる可能性さえ指摘された。議論の内容よりも、その存在意義を問われることになり、米国、日本、欧州に中国をくわえた「G4」に衣替えする案も浮上した。 「通常はもう来ているはずのコミュニケ(声明文)のたたき台が、議長国のイタリアからまだ届かない」 日本側交渉筋は、G7開幕直前まで、慌ただしく準備作業を各国と続けていた。通常は夕食会をまたいで2日間の日程で行われるG7だが、今回は夕方の3時間の会議だけとあって、代理クラスによる議題のすりあわせ作業も、3日午前中に一気に済ませてしま
政府は2日までに、海上自衛隊によるインド洋での給油活動中断の代替策として検討しているアフガニスタン復興支援策の柱の一つとして、新たに反政府勢力タリバンの元兵士への職業訓練を実施する方針を固め、米政府に伝えた。米政府は日本案を評価する考えを示している。タリバン元兵士への職業訓練はこれまで実施されておらず、代替策にふさわしい「日本の新しい国際貢献」としてアピールできる利点がある。 アフガニスタン国内のタリバンは数十万人に上るとされるが、金銭目的で加わる人も多い。貧困による武装化を防ぎ、タリバンを生む構造を改善するという位置づけとし、治安悪化に苦しむ米国を側面支援する意味もある。外務省幹部は「元兵士らを参加しやすくし、できるだけ大規模にやりたい」としており、訓練中に給与を支払い、費用を負担することも検討している。 職業訓練の指導員はアフガン人から採用するが、指導員を指導する人材の確保や、訓練場所
【ベルリン=片岡正明】ドイツ連邦議会(下院、定数598)選挙が27日、投開票され、大連立を組んできた二大勢力のキリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)と社会民主党(SPD)がともに後退し、国民が大連立政治にノーをつきつけた格好になりました。これに対し、野党の左翼党と自由民主党(FDP)は得票率、議席数とも大きく伸ばしました。 メルケル首相は同首相が率いるCDU・CSUがSPDとの大連立を解消し、右派野党のFDPと連立政権をつくると表明しました。 選挙の暫定結果は、CDU・CSUが前回より後退して史上2番目に低い得票率となり、239議席でした。SPDも前回より減らし、史上最低の得票率で146議席。一方、FDPはこれまでで最高の得票率で93議席を獲得しました。 CDU・CSUとFDPの合計は過半数の332議席に達する見込みです。メルケル首相は「新政権に必要な多数を確保するという目標を達成した
ドイツ総選挙の結果、4年間続いた大連立政権に終止符が打たれ11年ぶりに中道右派(保守)連立政権が樹立される。 メルケル首相率いる保守政党のキリスト教民主・社会同盟は、躍進した野党の自由民主党と合わせた議席数で過半数を制した。メルケル首相は続投し、大連立の一翼を担った中道左派の社会民主党は下野する。 ドイツの有権者が、一見安定感がある左右の大連立よりも、自由主義を前面に打ち出す中道右派の連立政権を選択した意義に注目したい。日本の各政党、とりわけ下野した自民党には学ぶ点が多いのではないか。 米誌フォーブスの「世界で最も影響力がある女性」に4年連続で選ばれたメルケル首相の人気が、今回の中道右派連立政権を生んだ原動力だろう。メルケル首相には首相就任当初、経験不足を懸念する声もあったが、実際には労組を支持基盤としてきた社民党と政策面で妥協するしたたかな政権運営を続けた。 財政再建のために付加価値税増
地球温暖化問題に関する閣僚委員会に臨む(左から)鳩山首相、菅国家戦略相、岡田外相=20日午後、首相官邸 政府は20日、首相官邸で地球温暖化問題に関する閣僚委員会の初会合を開き、鳩山由紀夫首相が22日にニューヨークで開かれる国連気候変動サミットで、「2020年までに温室効果ガスを1990年比25%削減する」という中期目標を表明することを正式に決めた。合わせて、途上国の温暖化防止対策を支援する「鳩山イニシアチブ」も提唱する。 中期目標は年末にコペンハーゲンで開かれる気候変動枠組み条約第15回締約国会議(COP15)での合意が前提だが、自公政権の「05年比15%削減」を大幅に上回る目標が事実上の国際公約となる。 この日の閣僚委では、2013年以降の温暖化対策の国際的な枠組みを決めるCOP13の交渉をリードするためにも、率先して高い目標を掲げることが必要だとの認識で一致。米国や中国など主要排出国が
――東アジア共同体について。総理の考えが、アメリカでは、「アメリカ離れ」や「ドル離れ」をしているのではないかという受け止め方をされているのですが、そういったことに対して、どう考えるのか。 首相 ご案内の通り、ある意味での友愛という精神というものが、スタートラインでありまして、それがEU(欧州連合)においては、共通のユーロという通貨まで、展開していったということでございまして、私は、ある意味で、体制の違う国々はあるわけでございますが、アジアにおいて、特に東アジアにおける共同体というものを中長期的に見て、構想することは、私は正しい道のりだと考えております。 その発想は決して、ドルというものを、あるいは、アメリカというものを除外するつもりではありません。むしろ、その構想の先に、私はアジア太平洋共同体を構想するべきだと思っておりまして、アメリカ抜きで必ずしも全て出来るとは思っておりません。 そのよ
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