少年時代にナイフを貰ったが、切れ味が気に入らず研ぎすぎて台無しにしてしまった——レヴィナスがフッサールから聞いたというこのエピソードは、広く知られているのではないかと思います*1。この記事のタイトルを見ただけでピンときたという人もけっこういることでしょう。しかし、この逸話はソースなしで語られることも多いような気もします。というわけで、しっかりとした文献上の証拠をここに引用しておきましょう。 フッサールのナイフ研ぎのエピソードは、1950年に刊行された『フッサール全集』第1巻(『デカルト的省察とパリ講演』)の編者序文のなかで、編者シュトラッサーがレヴィナスから教えられた話として伝えられています。該当する箇所を翻訳して引用します。 自分の哲学の方法をつねにより完全なものにし、しかも十分な体系的な定式化を犠牲にしてまでそうするというフッサールの傾向を示すものとして、E・レヴィナス博士が編者〔シュ
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く