保坂和志が自分の小説論の中で、「小説家と役者は誰でも、ある日突然なることができる」と述べていて、さらに村上龍は「13歳のハローワーク」という著書の中で、「小説家はあらゆる職業の中の、最後の職業。医者や弁護士から小説家になった人はいるが、逆はない」と述べている。そういう村上龍は美大で絵を書いていたが、ある日突然小説を書いてデビューして、芥川賞をとっている。高橋源一郎は、そんな村上龍を「現役の小説家の中で、一番文章がうまい」と褒めていたが、うまい、という言い方ではなかった気もする。私は村上龍の小説を読むと、口の中がかわく。私は村上龍の小説のうち、なにを読んで何を読んでいないかは、ちょっとよくわからないが、そんなには読んでいない。高校2年のときの国語の教科書に、「パラグアイのオムライス」というのが載っていて、それはアイドルだかタレントの女の子の写真集の撮影がパラグアイで行われた、という話で、その