昔、多分違法だと思うけど新潟市内の海岸沿いにテントを張って暮らしていた時期がある。風呂がないから知人に借りる。夜は防砂林から松の木などを拾い、焚き火を囲む。最初は変態扱いされていたけれど、徐々にひとが集まるようになり、食糧も勝手に集まった。釣りをしたり楽器を弾いたりベリーダンスを披露してもらったりなど、結構賑やかでそれなりに楽しい日々を過ごしていた。わざわざ車で県外から訪れるひともいた。 最悪の場合、また、ここでテント生活をすればいいのだと思うことで精神を落ち着かせている。生きていると、いつの間にか『守りの姿勢』みたいなものを覚える。なにも持っていないくせに、失うことを恐れてみたりする。「違うだろ」と自分に突っ込む。持たざるものがなにを恐れる。お前の強みは、もたないものの軽やかさだろう。もたないものの潔さだろう。もたないものの激しさだろう。恐れることはなかろうもん。そういうことを言い聞かせ