糖質制限をすると甲状腺のホルモンであるT3の低下を認めることがよくあります。これにより「糖質制限は甲状腺に有害である」と考える人がいます。TSHやT4が正常の場合は「低T3症候群」と呼ばれます。しかし、糖質制限の場合、この「低T3症候群」という名前にはちょっと違和感があります。 通常の「低T3症候群」は、絶食や低栄養の場合では、人体が代謝を低下させてエネルギー消費を抑えるため、とりわけタンパク質を節約するため(筋肉の喪失を防ぐため)の反応と考えられています。 つまり、糖質制限をしたときにエネルギー不足(カロリー不足)が伴った場合に起きると考えられます。自分では十分なエネルギーを摂取しているつもりでも、糖質を過剰に摂取していた状況を考えると、糖質の分を脂質やタンパク質で補うには結構な量が必要になります。また、糖質制限をすると多くの人は空腹感が少なくなり、自然と食べる量も減ることがあることもエ