何百年も前から、ローマにやって来た観光客はこの噴水を訪れ、有名な作法に従って願いごとをしてきた。だが、コインの行く末を気にする人はめったにいない。 コインは現在、数日分貯まると噴水から引き上げられ、カトリック系の世界的な慈善団体カリタスのローマ支部に持ち込まれている。カリタスではバケツ何杯分にもなる小銭を数え、フードバンクやスープキッチン(困窮者向けの無料食堂)、福祉プロジェクトの資金として活用している。 2022年にカリタスがトレビの泉で集めた金額は140万ユーロ(約2億2500万円)。2023年はさらに増える予想だ。ローマは世界有数の観光都市で、来訪者は2100万人を数える。