北海道木古内町のＪＲ江差線で１１日夜、貨物列車の車両の一部が脱線した事故で、１１日夜から１３日にかけて青森と函館を結ぶ津軽海峡線の特急・急行列車などが全部または一部区間で延べ４０本以上運休した。３日間で修学旅行生など延べ６千人以上に影響があった。１４日午前も全区間での運休が決まり、新青森―木古内の折り返し運転を２往復することが決まった。全線再開のめどは立っていない。 ＪＲ東日本青森支店によると、津軽海峡線は１３日、新青森―函館の白鳥や青森―札幌の急行「はまなす」など２０本以上が運休した。新青森―木古内では３往復の折り返し運転を行い、木古内から臨時バスが出た。 新青森駅で木古内行きのスーパー白鳥に乗り込んだ福島県いわき市の馬上国昌さん（７２）は、福島県郡山市から北海道への観光ツアー旅行に参加中。「妻と函館で夜景を見るつもりだったが、何とか北海道へ渡れそう。ひと安心です」 １２日も津軽海

■事故調査官「短期に発生、特異」 木古内町のＪＲ江差線で貨物列車が脱線した事故で、国土交通省運輸安全委員会の鉄道事故調査官３人が１２日、脱線車両などを調べた。脱線場所は、線路の状態などから４月に別の貨物列車が脱線した場所とほぼ同じとみられる。村田和三・鉄道事故調査官は報道陣に対し、「短期間に同じ所で発生するのは、なかなか特異だ。データを持ち帰って分析したい」と述べた。現場の運転再開の見通しは立っておらず、１３日は本州方面は特急３往復のみを一部区間で運行し、代行バスに接続させる。 ＪＲ貨物北海道支社などによると、列車は札幌市から仙台市に向かう途中、五稜郭駅（函館市）でいったん停止し、雨の影響で約１時間遅れで出発。運転士が異変に気付き、泉沢駅―札苅駅間で緊急停車したところ、２１両編成の９両目で４本ある車軸の後ろ側２本が脱線していたという。 現場は単線区間。線路の破損状況などから、泉沢駅の

「空の日（９月２０日）」を記念する「函館エアポートフェスタ’１２」が８日、函館空港の駐車場などを会場に行われ、親子連れらでにぎわった。 ステージでは、１９７０年の第４代から現在の第９代まで、時代とともに変わってきたＡＮＡキャビンアテンダント（ＣＡ）の制服が紹介された。 また、地元小・中学生による吹奏楽演奏や、地元農産物・海産物などが販売された青空市場も開かれた。 ターミナルビルでは、ちびっ子たちがパイロットやＣＡの制服を着ることができる撮影会も人気だった。

■新幹線　札幌延伸起工 ■在来線の存続、来月協議入り――知事が表明 ２５日に長万部町で開かれた北海道新幹線・新函館（仮称）―札幌間（約２１１キロ）の起工式に出席した高橋はるみ知事は、開業後は並行在来線としてＪＲ北海道から経営分離される小樽―函館間の取り扱いについて、９月早々にも沿線１５市町と協議を始める考えを明らかにした。鉄路は残すのか、残すなら負担割合はどうするのか。道と１５市町の難しい調整が始まる。 ■小樽―函館　沿線１５市町と 起工式に出席した羽田雄一郎国土交通相は「札幌が鹿児島とレールで結ばれ、日本の高速鉄道ネットワークの大動脈が完成する。北海道の自立的な発展に寄与することが期待される」と述べた。 札幌延伸区間は約２１１キロで、整備新幹線として着工が認可された区間としては最も長い。７６％がトンネルで総事業費は約１兆６７００億円に上る。巨額の費用を確保するため工期を２４年間

■薬事法違反容疑で道警に 健康被害を及ぼす危険のある指定薬物を含んだ植物片と粉末などを「脱法ハーブ」として販売していたとして、道は２３日、札幌市と函館市で３店舗を経営する住所不詳の男性を、薬事法違反（指定薬物の販売禁止）の疑いで２２日付で道警に告発した、と発表した。脱法ハーブ販売者の告発は道内初。 道医療薬務課によると、調査のため６〜７月に道内８店で販売されていたハーブを購入。検査の結果、男性が経営する３店舗の３製品から、めまいや筋力低下を引き起こす危険のある指定薬物が検出された。使用者の健康被害の報告は、今のところないという。 今年２月にも店舗やネット通販の１１業者のハーブを買い上げて調査しており、男性の店から指定薬物が検出されるのは２度目という。２〜６月に計４回にわたって男性の店の立ち入り検査を実施したり、警告書を出したりして脱法ハーブの自主回収や販売自粛を求めたが、逆に店舗数を

「ＥＭ菌」という微生物を川の水質浄化に用いる環境教育が、県内の学校に広がっている。普及団体は独自理論に基づく効果を主張するが、科学的には効果を疑問視する報告が多い。県は、効果を十分検証しないまま、学校に無償提供して利用を後押ししている。あいまいな効果を「事実」と教える教育に、批判の声も上がっている。 ＥＭ菌は乳酸菌や酵母などの「有用微生物」を配合した微生物資材。農地の土壌改良用に開発されたが、水質浄化や健康飲料としても利用されている。環境保全の市民活動や有機農法を行う農家に広がっている。 県教委によると、昨年度、環境教育の一環としてＥＭ菌を使用した小中学校は県内に７校。ほかの複数校でも使用例がある。多くは、ＥＭ菌を地域の川にまくことで「きれいになる」と教えている。 県東青地域県民局は２００４年から、管内の希望校にＥＭ菌を無償で提供し、実践を支援している。提供開始にあたり、県はＥＭ菌に

■札幌時代　１４日間■ １９０７（明治４０）年９月１４日、函館を発った啄木は、札幌に到着する。月給１５円で新聞社「北門新報社」で働き始める。「北門歌壇」を設けるなど精力的に見えたが、数日後には、友人とともに小樽で発刊されるという「小樽日報」に転職することを密談する。 当時、小樽は札幌より人口が多く道内でも有数の都市だった。２週間後には、小樽日報に入社するため札幌を離れる。滞在期間は、わずか１４日間だったが、のちに札幌の街などをテーマにした４首を作る。 札幌の印象は良かったにもかかわらず、すぐに去った啄木。本当の理由について啄木は、日記にも明確に記していない。 ◇　　◇ ■鉄道と重ねて研究４００ページ 道内で初めて鉄道が通った小樽・手宮―札幌間の道内最古とも言われるレールは、どこの国で製造されたものか――。 ３０年ほど前、小樽保線区長だった太田幸夫さん（７３）が抱いた疑問だ。こ

■多い通院「貴重な生活の足」 北海道エアシステム（ＨＡＣ）の再建策を練っている道は３１日、経営検討委員会を開き、丘珠―利尻線と函館―奥尻線の離島路線の重要性を確認した。両路線の継続を前提に、残る４路線の存廃を見極める。ただ、必要性の根拠とされる医療目的の利用は、アンケートで７％と振るわなかった。どこまで採算性を求め、いくらを税金で賄うか。肝心の議論は深まらぬままだ。 離島２路線の利用率は４０％を割っており、採算性は期待できない。昨年度は国や道が「離島航空路維持対策事業補助金」として、離島路線に約８５００万円を支出。２００８〜１０年度も毎年１億５千万円前後の税金が投入された。 ただ、道は検討委後の記者会見で「他路線に比べ、通院をはじめとした生活の足としての利用が多く、島民のライフラインとして重要な役割を果たしている」とし、存続が必要との認識を示した。 奥尻島に就航するフェリーは江差町

■函館の夜景、暗くなる？ 今夏に原発が動かない場合の電力不足に備えた節電について、函館市の工藤寿樹市長は２４日の定例記者会見で、「全面的に協力する必要がある」と述べ、路面電車の運行本数を減らすといった対策を検討していることを明らかにした。 具体策はこれから決めるが、市施設の節電の徹底のほか、企業や市民にも協力を求めていく考えだ。工藤市長は「市民生活への影響を最低限に抑える方向で検討したい」と述べた。 公共施設のライトアップの取りやめも検討する考えを示した。五稜郭タワーやハリストス正教会といった観光名所も、「場合によってはそこまで踏み込んでいかないといけないかなと考えている」と述べ、函館名物の夜景にも影響が及ぶ可能性を示した。

■検討委　公共性さらに議論 経営難に陥った北海道エアシステム（ＨＡＣ）の再建策を練るため、筆頭株主の道は２３日、３回目の経営検討委員会を開き、大学教授２人が新たに議論に加わった。就航する自治体から議論が採算性に偏っているとの不満が強く、公共路線としての存在意義の議論に厚みを持たせる狙いだ。ただ、今月中としていた再建策のとりまとめは来月上旬にずれ込むことになった。 議論は監査法人が示した運航パターンをもとに進めている。パターンには路線の現状維持のほか、離島特化や道外への就航なども盛り込まれている。再建策をまとめる上で、丘珠―女満別や旭川―函館など採算をとることが難しいとされた路線は、減便や撤退の議論が出る可能性が高い。 道は２１、２２日、ＨＡＣに出資する北見市や釧路市などの地元自治体や商工会議所を訪問。監査法人の検証結果や検討委での議論の経過を報告した。 「事業性に特化されている。公

◇舵を握ってにぎって船長気分 終了後、再資源化研究で解体 あすから新居浜東港で 新居浜市黒島１丁目の新居浜東港に接岸している旧国鉄・青函連絡船の「羊蹄（よう・てい）丸」　（８３１１トン）が２７日から６月１０日まで一般公開される。終了後は大型船舶の再資源化に向けた研究で解体されるため、「最後の公開」　となる。 羊蹄丸は全長１３２メートル、幅１７・９メートル。函館―青森間を結ぶ鉄道連絡船として１９６５年に就航し、人や貨車を運ぶ大動脈として活躍した。青函トンネルの開通に伴い８８年に引退。９６年から昨年まで東京都品川区の「船の科学館」　で係留展示されていたが、老朽化のため同館が無償譲渡先を公募した。 譲渡先として選ばれたのが、船のリサイクルを考えるために新居浜市や新居浜高専、地元企業などが昨年６月に設立した「えひめ東予シップリサイクル研究会」　。今年３月、羊蹄丸はタグボートに引航されて新

古い教会などが残る函館市の旧市街地で２２日、スペイン風に「はしご酒」を楽しむイベント「函館西部地区バル街」が開かれた。毎年春秋に開かれているが、昨春は東日本大震災で中止に。今回は被災地・宮城県のグループも初参加し、盛り上げに一役買った。 過去最高の７６店が参加。訪れた人たちは５枚つづりのチケットを手に、各店を回って飲み物とピンチョス（おつまみ）を楽しんだ。 宮城県から参加したのは石巻市の「石巻復興ボンバール」のメンバーで、２００９年から函館のバル街を参考に「ボンバールいしのまき」を開いている。 震災後、函館バル街実行委が義援金を贈ったり、石巻で昨秋開かれた「復興ボンバール」に出店したりした返礼にと、駆けつけた。ピンチョスは特産のカキや笹かまぼこをアレンジした料理を用意。開店と同時に長い行列ができた。 函館市内の主婦（６５）は、応援の気持ちを込め、石巻のブースをスタートにはしご酒を楽