鈴木直道北海道知事は5月18日に開かれた定例会見で、北海道新幹線の函館延伸調査について記者の質問に答えた。 この件を選挙公約としていた函館市の大泉潤市長は「6月の政策予算に調査費を盛り込みたいとイメージしている」と述べており、JR北海道の綿貫泰之社長は要請があれば調査に協力する意向を示している。 しかし、地元の経済界では延伸について否定的な意見が根強いという報道があり、広域自治体としての北海道の出方が注目されている。 鈴木知事と大泉市長は5月16日に面会しており、北海道と函館市の連携強化が確認されたという報道が流れているが、その場に函館延伸の話が出たのかという質問について鈴木知事は「具体的にそういったお話はございませんでした」と述べた。 また、サポートをする意思があるのかどうかという質問に対しては「函館市のほうから何かお話があれば、そこは必要な支援などについても検討するということになるので
北海道函館市の大泉潤市長は4月27日に開かれた定例会見で、北海道新幹線の函館延伸について記者の質問に答えた。 大泉潤氏は俳優・大泉洋氏の実兄で、4月23日に投開票された市長選挙で、3期務めた現職の工藤寿樹氏を破り当選。選挙公約として北海道新幹線函館延伸の調査を掲げていた。 新市長に就任した大泉潤氏。市長就任後初めての会見では調査の開始時期を問われたが、大泉市長は「6月の政策予算に調査費を盛り込みたいとイメージしている」と述べるに留め、現時点で担当部局である企画部へ話をしていないとして、具体的な言及を避けている。 2016年3月に新青森~新函館北斗間が開業した北海道新幹線は、札幌までを最短距離で結ぶためとして、北斗市内にある旧渡島大野駅に新幹線駅を設置し、新函館北斗駅が開業。現在は北海道新幹線の終点となっている。 北海道新幹線の現在の終点・新函館北斗駅。 七飯町内や函館市内へのアクセスには、
独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構(鉄道・運輸機構)は5月11日、北海道新幹線渡島トンネルの台場山工区(全長3500m)で3月22日に発生した地表面の陥没についての調査結果を明らかにした。 渡島トンネルは新函館北斗~新八雲(仮称)間に建設されている全長32.675kmの長大トンネルで、地下約50mに位置する台場山工区の新函館北斗方となる新青森起点156.179km(トンネル入口から約6.4km)の地点で土砂流入が発生。地表面の国有保安林で陥没が確認された。 陥没により地下の掘削現場では、累計約350立方mの土砂流入が推計されたが、4月19日には流入防止措置が完了している。 陥没箇所周辺が立入禁止になったため、鉄道・運輸機構ではドローンを使用しての定期的な地表監視を行なってきたが、5月10日に立入りが可能になったことから、改めて調査したところ、同日15時30分時点で、掘削停止位置の地
鈴木直道北海道知事は2月4日に開かれた定例会見で、事実上の廃止が決定した函館本線長万部(おしゃまんべ)~余市(よいち)間、根室本線富良野~新得間について記者の質問に答えた。 北海道新幹線の並行在来線のうち函館本線長万部~小樽間については、2021年12月27日に開かれた「第11回後志ブロック会議」で長万部町、倶知安(くっちゃん)町、共和町、仁木(にき)町がバス転換を容認したが、2月3日に開かれた会議では、保留していた黒松内町、蘭越町、ニセコ町も容認し、長万部~余市間のバス転換が事実上決定した。整備新幹線の並行在来線が廃止される例は、北陸新幹線が長野まで開業した1997年10月に廃止された信越本線横川~軽井沢間以来となる。 残る、余市町と小樽市に跨る余市~小樽間については余市町が存続を主張しており、JR北海道が自治体による赤字補填を条件に運行委託に応じる考えを示しているが、区間の大半を占める
北海道の鈴木直道知事は1月7日に開かれた定例会見で、北海道新幹線札幌延伸時にJR北海道から経営が切り離される並行在来線について記者の質問に答えた。 北海道新幹線の並行在来線については2012年から函館~長万部間を「渡島ブロック」、長万部~小樽間を「後志ブロック」として存廃の協議が進められているが、鉄道での存続、バス転換のいずれも経営分離から30年は赤字必至であると試算されている。 直近では、2021年12月27日に後志ブロック会議が行なわれているが、報道によるとこの席では長万部、倶知安、共和、仁木の4町がバス転換、余市町が鉄道存続の意向を示し、残る黒松内、蘭越、ニセコの3町と小樽市が態度を保留したという。 当初は2021年内に定めるとしていた方向性が越年したことについて鈴木知事は「各自治体の首長の皆さま、それぞれさまざまな地域事情が当然ありますので、そういったことも踏まえて、ご判断があった
JR北海道は9月15日、2022年春のダイヤ見直しに合わせて7駅を廃止する意向であることを表明しているが、そのうちの5駅は函館本線の七飯(ななえ)町内と森町内のものであることが新聞報道で明らかにされている。 地元との協議中であるためJR北海道の発表では駅名が公表されなかったが、報道では七飯町内の流山温泉駅が候補に挙がっている。 同駅は、2002年4月27日に池田園~銚子口間に開業した平成生まれで、JR北海道としては21世紀に入ってから最初に開業した駅でもある。 平成に開業した駅が廃止された例は、1989年7月に開業したJR東海参宮線の池の浦シーサイド駅(三重県伊勢市)や、1991年3月に開業した愛知県小牧市の新交通システム桃花台新交通桃花台線(小牧~桃花台東)に存在した小牧原、東田中、上末、桃花台西、桃花台センター、桃花台東の6駅などがあるものの、廃止が決まればJR北海道では初の例となる。
沖電気工業(OKI)は6月14日、北海道・渡島(おしま)信用金庫に、移動ATM車用として小型ATM(現金自動預払機)を納入したと発表した。北海道の金融機関への小型ATM納入は初となる。 渡島信用金庫は、5月24日からこの小型ATMを搭載した移動ATM車「おしま信金号」の運用を開始。場所を問わずATMサービス(引き出し、預け入れ、振り込み、通帳記入、通帳繰越、残高照会等)を提供することで、サービス向上を図る。 小型ATMは、従来のATMを3つのモジュール(基本部、通帳部、紙幣部)に分割し、無線対応を可能にしたもの。この小型ATMを市販商用バンに搭載した移動ATM車は、従来の大型トラック等を使った金融機関の移動店舗では入れない細い路地や駐車スペースの狭い場所にも乗り入れでき、さまざまな場所でATM取引を提供できる。また、大型車両運転手の手配などが不要で、導入・維持コストも大幅に削減できる。 渡
JR北海道は5月21日、北海道新幹線の青函トンネル内における210km/h運転を盆期間にも実施すると発表した。 時間帯区分方式によるこの運転は、2020年度の年末年始、2021年のゴールデンウィーク(GW)に続いて3回目。今回はGWより1日長い8月12~16日の5日間、各日始発から『はやぶさ34号』の奥津軽いまべつ15時34分着までの間、上下各7本の定期『はやぶさ』『はやて』で実施され、東京~新函館北斗間の最速到達時間は前回同様、通常より3分短縮した3時間54分となる。 なお、この高速走行に伴ない、接続する新函館北斗~函館間の在来線連絡列車『はこだてライナー』については、函館行き4本、新函館北斗行き7本の時刻が1~3分程度繰り下げられ、関連して函館行き普通列車1本も時刻繰下げとなる。 また、特急『北斗』が運行されている函館~札幌間の在来線では8月11~15日、快速『エアポート』1本が新札幌
北海道は4月21日、2030年度末に予定されている北海道新幹線札幌延伸時に経営分離される並行在来線(函館本線函館~小樽)のうち、長万部~小樽間の収支見通しを明らかにした。 これは、同日に開かれた「北海道新幹線並行在来線対策協議会」の後志(しりべし)ブロック会議で公表されたもの。同協議会は北海道と沿線自治体から構成されており、長万部駅(北海道長万部町)を境に、北を後志ブロック会議、南を渡島(おしま)ブロック会議が協議している。 今回、後志ブロック会議で示された収支見通しは、2015~19年度の輸送密度や2018~60年の将来推計人口などを基に、全線での鉄道存続、余市~小樽間のみの鉄道存続、全線バス転換という3つの「交通モード」ごとに、分離から30年間分を推計したもので、鉄道での存続は第3セクター方式とされている。 それによると、全線鉄道存続の場合、初期投資に191.2億円を想定。単年で23億
JR東日本は2月15日、奥羽本線青森駅(青森県青森市)の新駅舎を3月27日に供用開始すると発表した。 青森駅は、東北本線上野~盛岡間とIGRいわて銀河鉄道、青い森鉄道の前身となる、私鉄の日本鉄道上野~青森間が全通した1891年9月に開業した。奥羽本線と青い森鉄道線(旧東北本線)の列車が合流するように発着する終端駅で、現在の駅舎は1959年に供用を開始した四代目。かつて北側には、1988年9月に運航を終えた青函航路の青森桟橋があった。 2018年10月から整備が進められてきた新駅舎は鉄骨造りの2階建てで、現駅舎より西寄りに配置される。長年、青森駅の象徴のひとつとなっていた乗換え跨線橋は北側へ移す形で新設。その跡と思われる南側には幅員約6mの自由通路が設置され、東西の往来が容易になる。共同使用している青い森鉄道の駅舎も新しくなり、南側に設置される。 なお、供用開始初日の10時から15時まで開業
JR北海道は10月14日、12月31日から2021年1月4日までの5日間実施される北海道新幹線の青函トンネル内210km/h走行の詳細を明らかにした。 それによると、対象列車は各日6時30分から15時40分まで青函トンネルを含む奥津軽いまべつ~湯の里知内信号場間を通過する列車で、内訳は下りが『はやて91・93号』『はやぶさ95・1・7・13・19号』、上りが『はやぶさ10・14・18・22・28・32・34号』。すれ違い時の風圧の問題から、これらの列車が走行している間、貨物列車は走行しない。 今回の210km/h走行により、東京・仙台・盛岡・新青森~新函館北斗間の到達時間は現行より3分程度短縮されるが、このうち『はやぶさ7・13号』は東京~新函館北斗間を3時間55分で結ぶ最速達列車となる。 また、新函館北斗駅(北海道北斗市)で新幹線と接続する『はこだてライナー』11本も時刻変更される。 《
国土交通省とJR北海道は9月24日、青函トンネルで北海道新幹線の210km/h走行を12月31日から5日間実施すると発表した。 北海道新幹線が通る海峡線新中小国信号場~木古内間約85kmは、標準軌(軌間1435mm)の新幹線と、狭軌(軌間1067mm)の在来線が線路を共用する、いわゆる「三線軌条」となっており、このうち約54kmを占める青函トンネルは、すれ違い時の風圧を考慮して2016年3月の開業当初は新幹線の速度が140km/hに抑えられていた。 しかし、2017年12月に開かれた「青函共用走行区間等高速化検討ワーキンググループ(WG)」の会合で、160km/hへの引上げと下り線を使って特定時期の一部時間帯を対象に210km/h走行を行なう方針が取りまとめられ、これを受けて2018年9月には、北海道新幹線の建設主体である独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構(鉄道・運輸機構)が青函ト
JR東日本は9月3日、新幹線を活用した、いわゆる「新幹線物流」に9月から取り組むことを明らかにした。 新幹線物流は、2017年から各種の提携により、首都圏への生鮮食料品輸送などが試験的に行なわれてきたが、9月10日から北陸新幹線『あさま』を利用して実施する、長野県須坂市産ぶどうなどの輸送を皮切りに、JR東日本として初めて取り組まれることになった。 この輸送は9月10・11・24・25日に実施。ほかに、9月24・25日には秋田県産枝豆の輸送を、9月29日には秋田県産NAMAHAGEダリアを使用したブーケの輸送を秋田新幹線で実施。さらに9月18・20日には宮城県産の梨やぶどうなどを、仙台から東北・北海道新幹線を利用して新函館北斗まで輸送する。 JR東日本ではこの新幹線物流を契機に、在来線特急を活用した物流にも取り組むとしており、9月26~28日には伊豆急下田9時51分発『踊り子4号』で伊豆産の
JR北海道は8月19日、観光列車仕様のキハ261系5000番台特急型気動車の運行を10月17日に開始すると発表した。 この車両は、普通座席のほか、多目的室兼個室やフリースペース、販売カウンターを備えており、7月には第一陣として「はまなす編成」が登場。9月26日に小樽駅(北海道小樽市)で公開された後の10月17・18日に行なわれるツアー「北海道鉄道140年記念号で行く『炭鉄港』を巡る旅」で初運行される。 このツアーは北海道民を対象に北海道旅行が最大1万円割引となる「どうみん割」を利用でき、10月17日発が小樽~岩見沢~追分~室蘭~札幌、10月18日発が札幌~室蘭~追分~岩見沢~小樽の行程となる。両日とも日帰りで、申込みは8月20日14時からJR北海道のツインクルデスクで受け付ける。 一般営業列車としては10月24日の札幌6時56分発網走行き『オホーツク1号』から運用に入り、同日は折返しの網走
JR北海道は3月11日、北海道新幹線の全トンネル内で3月25日から携帯電話の利用が可能になることを明らかにした。 JR北海道では、2018年から鉄道トンネルや医療施設などの公共施設で圏外を解消するために行なう国の「電波遮へい対策事業」に基づき、自社の負担割合ゼロで、青函トンネルを含む北海道新幹線トンネル内の圏外解消に取り組んできた。 2019年4月には青函トンネル内の青森県側・竜飛(たっぴ)定点(旧竜飛海底駅)と、北海道側・吉岡定点(旧吉岡海底駅)との間で携帯電話サービスが開始され、同年8月には青函トンネル全域での圏外が解消されていた。その後の12月には、新函館北斗~木古内間のうち、約11.9kmのトンネル区間でも解消された。 残る圏外のトンネルは、木古内駅(北海道木古内町)前後と奥津軽いまべつ駅(青森県今別町)前後の計約30kmのトンネル区間だったが、これらも今回で圏外が解消し、合計約9
新青森駅(青森県青森市)と新函館北斗駅(北海道北斗市)を結ぶ北海道新幹線で、新たな輸送の取組みが始まろうとしている。 ひとつは北海道の噴火湾で早朝に獲れたボタンエビなどの鮮魚や、北海道キヨスク「駅弁の函館みかど弁当工場」が開発するオリジナル弁当を東京駅へ輸送する取組みで、新幹線を利用する鮮魚などの輸送は、東北・上越・北陸の各新幹線に続くものとなる。 この輸送は、3月9・10日に東京駅前のKITTE丸の内地下1階「東京シティアイ」で行なわれる販売イベントや、3月9日から東京駅構内の一部飲食店で始まるレストランフェアに合わせて実施される(レストランフェアでの輸送鮮魚提供は3月9・10日のみ)。 もうひとつは、佐川急便とJR北海道が協働して行なう貨客混載輸送で、2月13日に発表された「北海道新幹線を使った貨客混載輸送の検討状況について」によると、客室内に宅配便荷物を収納した専用ボックスを積載する
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