ヤマトヤシキ姫路店の営業終了を見届けようと集まった人たち=28日午後6時24分、姫路市二階町(撮影・小林良多) 前身から数えて111年の歴史を誇る老舗百貨店のヤマトヤシキ姫路店(兵庫県姫路市二階町)が28日、営業を終えた。最終日は常連客やセール目当ての人たちでにぎわった同店。午後6時20分ごろ、従業員が玄関に勢ぞろいして深々と頭を下げた後、静かにシャッターが下ろされた。 ヤマトヤシキは1906(明治39)年に洋品雑貨商「米田まけん堂」として創業。業績は92年をピークに下落し、2015年に私的整理の「事業再生ADR」が成立した。投資ファンドの主導で再建を進め、免税店大手からも資金調達して大幅改装したが、顧客離れを止められなかった。 老朽化した姫路店の店舗は建て替えるが、具体的な再建方法は明らかになっていない。今後は経営資源を加古川店に集約。同店はヤマトヤシキを主要株主とする新会社が運営し、従
平昌冬季五輪でウインタースポーツに注目が集まる中、兵庫県北西部のスキー場(15カ所)の利用客数が、ソチ五輪後の2014年度に比べ2割近く減少していることが、但馬、播磨地域6市町への取材で分かった。冬季五輪シーズンは例年よりにぎわうとされ、積雪も恵まれているにもかかわらず、予想外の伸び悩みに関係者は気をもんでいる。(古根川淳也) 県北西部では暖冬だった09年以降、スキー客数が徐々に回復。13年度は74万人、14年度には77万人が訪れた。15年度は再び暖冬で37万人にまで落ち込み、シーズン途中まで雪不足だった16年度も低迷した。 今季(17年度)の利用客数について各市町に聞いたところ総数は約28万4千人(1月末時点)で、14年度同期比で18・1%(6万3千人)少なかった。関係者は「この2年の雪不足が影響しているのでは」とみる。 神河町が国内で14年ぶりにオープンさせた初心者向けスキー場には約3
色使いやシルエットにこだわった農作業服の人気が高まっている。「カッコイイ農業」を目指す若手農業者や菜園を楽しむ市民らのニーズに応え、JAグループが企業と連携して若者や女性向け製品を開発。作業服メーカーもデザインや機能性に優れた農業者向け製品に力を入れている。 全国の若手JA組合員でつくる全国農協青年組織協議会(JA全青協)は、ジーンズなど衣料卸売のリー・ジャパン(東京)と連携してデニム柄などのオリジナルワークウェアを2015年度に開発した。上着とズボンが一体の「つなぎ」で、手を上げた作業がしやすいなど快適さが評判だ。 JA兵庫南(加古川市)管内では農家約20人が購入。稲美町の女性(26)は「思うような服がなく農業大学校の服をずっと使っていたのでありがたい。おしゃれで機能的。買い物もこのまま行きます」とお気に入りだ。 JA全農兵庫(神戸市中央区)生活課は17年度から女性農作業服のブランド「モ
創業翌年の1932年に発行されたカタログ。贈り物の一例としてバレンタインデーのチョコレートが紹介されている(モロゾフ提供) かつてバレンタインデーは、意中の人にチョコレートを贈る日として知られていました。しかし近年は友達同士で贈り合う「友チョコ」、自分への特別なご褒美(ほうび)としての「自分チョコ」など、時代とともにイベントの性格も多様化しています。この習慣、意外にも日本では神戸が発祥だとされているそうです。それって本当?(太中麻美) -どうして神戸がバレンタインデーの発祥と言われているの? 「神戸に本社がある1931年創業の洋菓子メーカー『モロゾフ』が、32年に発行したカタログを見てみよう。『礼儀は扮装(ふんそう)する』というキャッチコピーと、ハート型の容器入りチョコレートなどを掲載し、2月14日に贈り物をする欧米の習慣を紹介しているのが分かる。これを基にモロゾフは『日本で初めてバレンタ
認知症者や介護家族の支援に取り組むNPO法人「播磨オレンジパートナー」(兵庫県たつの市)が9日、専門書籍や資料約300点を集めた私設図書館「認知症ライブラリー」を開設する。診断を受けて当惑する当事者や家族のサポートを念頭に、必要な情報を提供することで安心や希望を見いだしてもらう。(松本茂祥) 同法人は、同市龍野町本町を拠点に2015年に設立。認知症者を対象にした生きがい支援や進行防止プログラムの提供、介護事業所の職員や家族向けの講座を開いて人材育成にも取り組む。 代表を務める介護福祉士の丸尾とし子さん(53)は09年、高齢者支援の住民グループ「はこべら」を結成。介護保険制度の改正に伴い、介護度の軽い要支援者向けサービスが見直される中、初期・軽度の認知症者の受け皿をつくろうと同法人を分離、独立させた。 ライブラリーの着想は、認知症と診断された人が、精神的に不安定な状態に陥る体験談を聞いたのが
銀河の起源の解明などを目指し、南米チリ・チャナントール山(5640メートル)の山頂にある標高世界一の「東京大学アタカマ天文台(TAO)」に設置する世界最高水準の光赤外線望遠鏡が完成し、東京大天文学教育研究センターが28日、本体を仮組みした東亜外業東播工場(兵庫県播磨町)で報道陣に公開した。 同センターが1998年にスタートしたプロジェクトで、同天文台には2009年に口径1メートルの望遠鏡を設置した。今回設置予定の望遠鏡は建設費約70億円で、口径6・5メートル、高さ15メートル、総重量は3枚の鏡を含めて200トン。 同山頂は砂漠地帯にあり、赤外線を吸収する大気中の水蒸気の影響を受けにくい。これまで観測が難しかった波長の赤外線を捉え、惑星誕生の過程や新たな銀河の観測が期待できるという。 本体は解体して輸送し、今夏に現地で組み立てる。19年初めにも試験運用を開始する予定という。同センターの宮田隆
昨年11月に兵庫県の淡路島で発覚した贈収賄事件で、思わぬ賄賂が注目を集めた。空気を圧縮して送り出す「エアコンプレッサー」。タイヤの空気入れや高圧洗浄に使われるのが一般的だが、淡路島ではタマネギの皮むきで活躍しているという。島では皮むきで生計を立てる人たちを「むきタマ業者」と呼び、淡路産のほか、なぜか北海道産や海外産も手掛けているらしい。調べると、全国3位の出荷量を誇るタマネギ名産地の知られざる姿が見えてきた。(鈴木雅之、高田康夫) 左手には上下をカットして薄皮に切れ込みを入れたタマネギ。右手にはコンプレッサーのピストル形噴射器。「プシュッ」。空気を吹き付けると、茶色い皮がはがれ、つるつるの「むきタマ」が出来上がった。 「阪神・淡路大震災で瓦の仕事がだめになり、これしかなかった」。作業の合間に、南あわじ市の70代男性が教えてくれた。 日本三大瓦の一つ、淡路島の「いぶし瓦」業界は震災後、「重い
ひねり餅。 耳慣れない名前に、思わず首をひねる。 優れた酒を生み出す丹波杜氏(とうじ)の古里・篠山市。午前7時半、蒸気がもうもうと立ち上る鳳鳴(ほうめい)酒造で、杜氏の中川博基さん(76)が蒸したての米を手に取った。 木の板にこすりつけて丸めたかと思うと、両手に挟んで平らにする。その間、わずか数十秒。 「これがひねり餅です」 中川さんはそう話し、神棚に供えて、2度、かしわ手を打った。 ひねり餅は、手の感触で米の蒸し具合を確かめるために作られる酒造りの風習だ。神棚に供えることで、酒造りの成功と蔵人(くらびと)の安全を祈る。 「昔は、どこの蔵でもやっとったもんです。杜氏さんに渡すと、『固すぎる』『やり直せ』と怒鳴られることもありました。今はもう、やるところは減りましたなあ」。中川さんは感慨深げに話す。 供え終わったひねり餅は、酒蔵にあるストーブで焼いて、おやつのように味わった。近年は機械化が進
人工多能性幹細胞(iPS細胞)からさまざまな組織などを作る際、がん化するかどうかを見分ける方法を発見したと、先端医療振興財団・細胞療法研究開発センター(神戸市中央区)の川真田伸センター長らのチームが発表した。良質なiPS細胞の量産につながり、再生医療の実用化に弾みがつくと期待される。10日付の英国科学誌サイエンティフィックリポーツに掲載された。 iPS細胞は、何もしなければ未分化のまま無限に増殖。そこに特定の遺伝子を加えることでさまざまな細胞や組織に分化する。だが、一部が分化せず、がん化することが課題だった。 チームは、胎児の臓器形成に関わることで知られ、iPS細胞にも存在する分子「CHD7」に着目。細胞ごとに含有量を測定した結果、一定値以上であれば分化するが、それ以下であれば、がん化することを突き止めた。CHD7が分化を始めるスイッチの役割を果たしていた。同様に人のさまざまな細胞になる胚
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