ある日、長年使っていたプラスチックのおろし金にヒビが入ってしまった。 もちろん、このまま使おうと思えば使えるけど、いつ割れるかわからない。そもそももう歯もダメになりつつあるのか、大根おろしを作ろうと思うと延々と時間ばかりかかって筋肉痛になるし、もう買い替えたい……。一度買い替えたいと思うと、もう、そのことしか考えられなくなるの、わかります? これは神が与えたもうた買い替えのチャンス! おろし金なんて滅多に買い替えるものではないし、せっかく買うなら良いものを買いたい! 品ぞろえがヤバすぎる「飯田屋」 というわけで、やってきましたよ、調理器具ならここ! 浅草「かっぱ橋道具街」! そのなかでも、「おろし金マニア」なる人物がいるという「飯田屋」へやってきました。プロ御用達のこのお店。店舗には隙間なく調理器具がびっしり! こちらのお店は、各調理器具ごとにコーナーになっているのですが、その品ぞろえが異
◆目次◆ はじめに 1.ヨーロッパへの日本紹介 * 2.天正遣欧少年使節と印刷機の到来 * 3.シーボルトとその弟子ホフマン * 4.オランダの大手印刷会社『ブリル社』 * 5.「書物研」での発表資料とインタビュー記事 * 6.ホフマン活字の特徴 * 7.「鋳造活字」の製作工程 * 8.欧米人と「漢字形活字」の製作 * 9.わが国にもたらされた明朝体活字 * おわりに * 『活字禮讃』(活字文化社 1991年)という本がある。 明治の始め、わが国に活版印刷術がもたらされて以来、この国の文化を支え育んできたと言える「活字文化(活版印刷術)」が、昨今のデジタル時代に追いやられ、その中心素材であった「活字」は、何の惜しげもなく産業廃棄物として消滅しつつある。 そうした渦中で、「活字」に寄せる並々ならぬ愛着を吐露した多くの人たちの、文字通り「活字礼讃」なのである。 作家・出版社主・学者・デザイナー
著者: 池田清彦 , 養老孟司 稀代の虫好きとして知られる養老先生。なんと「虫塚」を鎌倉の古刹、建長寺に建立した、というのは好事家の間では既知のこと。毎年6月4日には法要を行なっており、その際に講演会も開催。1回目は文化人類学者の植島啓司さんと葬送について、2回目はユニークな昆虫の形を教えてくれる小檜山賢二さんと、そして今回3回目は、長年の虫友、池田清彦さんの登場だ。満席の会場で、尽きることのないふたりの漫談、もとい対談を中継していきたい。 供養をする伝統 養老 まずはぼくから虫供養について話しておきましょう。 虫供養は、なんということもなく始めてしまったものではあります。女房が、ぼくの墓をどうしようかというような話をしていて、ぼく自身はそんなことを考えるのは面倒だったんですが、ある日、突然、女房が虫塚をつくろうと言い出しまして……。死んだらそこへ入れちまえばいいや、という話になったんです
先週、小耳に挟んだのだが、リカルド・コッキとユリア・ザゴルイチェンコが引退するらしい。いや、もう引退したのかもしれない。ショウダンス界のスターコンビだ。とびきりのダンスを見せてきた。何度、堪能させてくれたことか。とくにロシア出身のユリアのタンゴやルンバやキレッキレッの創作ダンスが逸品だった。溜息が出た。 ぼくはダンスの業界に詳しくないが、あることが気になって5年に一度という程度だけれど、できるだけトップクラスのダンスを見るようにしてきた。あることというのは、父が「日本もダンスとケーキがうまくなったな」と言ったことである。昭和37年(1963)くらいのことだと憶う。何かの拍子にポツンとそう言ったのだ。 それまで中川三郎の社交ダンス、中野ブラザーズのタップダンス、あるいは日劇ダンシングチームのダンサーなどが代表していたところへ、おそらくは《ウェストサイド・ストーリー》の影響だろうと思うのだが、
提灯2.0 システム解説 (オーディオ・ビジュアルと複数台マシンの同期) 提灯2.0とは こないだの盆踊りの動画上がってたよい○ 2018/07/21 八幡大盆踊り大会 エマーソン北村さん&mmm #daibon https://t.co/EbqR7nTyxu @YouTubeさんから — seto (@_seto_) 2018年8月11日 先日高円寺の神社のお祭りで提灯2.0という謎案件を担当しました。 http://daibon.jp お祭り自体も盆踊りを中心にライブやDJも行い、公式グッズも盛りだくさんで伝統を守りつつも前衛的なお祭りになっています。 昨年もスタッフとして協力していましたが、今年は主に提灯2.0のプログラマとして参加協力しました。 提灯2.0と題して既存の提灯に制御機能をつけてライブやDJ、盆踊りの音に合わせて提灯を点滅演出するというもので、なかなか世間的にも初めての
先週、小耳に挟んだのだが、リカルド・コッキとユリア・ザゴルイチェンコが引退するらしい。いや、もう引退したのかもしれない。ショウダンス界のスターコンビだ。とびきりのダンスを見せてきた。何度、堪能させてくれたことか。とくにロシア出身のユリアのタンゴやルンバやキレッキレッの創作ダンスが逸品だった。溜息が出た。 ぼくはダンスの業界に詳しくないが、あることが気になって5年に一度という程度だけれど、できるだけトップクラスのダンスを見るようにしてきた。あることというのは、父が「日本もダンスとケーキがうまくなったな」と言ったことである。昭和37年(1963)くらいのことだと憶う。何かの拍子にポツンとそう言ったのだ。 それまで中川三郎の社交ダンス、中野ブラザーズのタップダンス、あるいは日劇ダンシングチームのダンサーなどが代表していたところへ、おそらくは《ウェストサイド・ストーリー》の影響だろうと思うのだが、
今のマンガのフォーマットでは日本兵は描けない ──戦争のことについてうかがいたいのですが。このマンガ、最初は戦後のトボけたトーンが印象的なのですが、終盤かなりハードな戦中の内容になっていきます。これはもともとこういう構想だったのでしょうか? 二人が戦後すぐに出会うっていうものを作る時点で大陸モノになることは必至だと思っていました。マンガで日中戦争ってこれまであまり描かれてこなかったように思うので、「マンガ史的に押さえておきたい」とは考えました。 ──またそこも抜けているところだと。 ゴッソリ抜けてるし、今のメジャーなマンガのフォーマットで日本兵を描くのは、大変難しいと僕は思っていて。海軍モノなどはあったりするけど、陸軍の軍服の美意識を今のマンガのフォーマットで追うのは 、きっとみんなしんどいだろうなあと。 ──「フォーマットで追えない」というのはどういうことですか? まず、今ざっと見渡した
日本は73回めの終戦記念日を迎えたとのことですが、毎年この日は軍人コスプレ大会@靖國神社が大変な盛り上がりを見せるようですね。素晴らしいと思います。 ここ数年のコスプレ大会の様子をツイッターから探してみました。 軍服じいさんに軍服ダッチワイフ! センスあるなあ~。 靖國神社は日本の恥部なわけですから、軍人コスプレや軍服ダッチワイフなんてまさにこの神社にぴったりじゃないですか。だって、そもそも靖國神社自体が神道のコスプレみたいなもんなんでしょ? あと、子どもの教育にもいいですよね。 「戦争でお国のために命を捧げて靖國神社に祀られても、アホな軍人コスプレ爺さんたちにこんなふうに馬鹿にされて終わりなんだよ」 と教えれば、ただ「戦争はいけません!」と言い聞かせるだけよりもよっぽど優れた反戦教育になるのではないでしょうか。 わたしは靖國神社がもっともっと恥ずかしいお馬鹿神社になってほしいので、もう終
私がある本をえらぶのか、それともある本が私をえらぶのか。いずれにせよ、近ごろは、じぶんとおなじ年ごろの70代から80代ぐらいの人たちが書いた本を手にとる機会が、めだって増えてきた。 いまのいま、そうである人たちの本だけでなく、そこには、かつて70代から80代だった過去の人たちの著作もふくまれる。ただし時代をさかのぼるにつれて、こうした区分けなど次第にどうでもよくなってくるのもたしか。だって、ちょっと後ろにもどれば平均年齢50歳の時代だぜ。そんな時代に生き死にした漱石や鷗外が老人であろうとなかろうと、そんなこと、もうどうでもいいじゃないの。 そして時代をさらにさかのぼると、行きつくところは古典――。 古典では、その本が歴代の読者とともに生きた時間の質量が、年齢にとってかわる。つまりは本そのものが老人なのだ。老人は老人同士、なんだか、いいつきあいができそう。そこで多くの人が、このさき年をとった
故あって、このところ、いま大阪で話題の「文楽」、すなわち近世大坂の義太夫節人形浄瑠璃、を飛び越して、狂言のことを調べています。 狂言に通じている方でしたら、この写真をご覧になると、タイトルに掲げたお話のオチはすぐにわかってしまうでしょうか……。 - [このあとに長々と書き連ねた古典藝能についての「お勉強」は別のエントリーへ分割しました。→http://d.hatena.ne.jp/tsiraisi/20120824/p1 ] 「文楽」は、日本の古典藝能のなかでは、家元制度化しない実力主義でやってきているところが特徴なのかと思いますが、狂言、とりわけ、京都では今も大変に親しまれている大蔵流茂山家の、藝のちゃんとした継承と「お豆腐狂言」のキャッチコピーで外へ出て行く自由さのバランス感覚を見ていると、家の藝、家内産業であるがゆえの結束とフットワークの軽さがあるのかな、と思ったりもします。 (千之
[論旨がわかりやすいように小見出しを追加。それにあわせて記事のタイトルを変更しました。] [↓文楽の「人形」問題の広がりを考えるとしたら、ご紹介すべき本はこちらかなと思ったので差し替え。8/28] 人形記―日本人の遠い夢 作者: 佐々木幹郎出版社/メーカー: 淡交社発売日: 2009/01/30メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 2回この商品を含むブログ (12件) を見る ひとつ前のエントリーから真ん中の部分を分離しました。せっかく勉強したので、自分自身のための心覚えです。 1. 狂言から藤十郎へ、謡曲から義太夫へ狂言は中世発祥とされますが、伝承された狂言本の成立年代から考えると、テクストやレパートリーが確定して「古典化」したのは徳川時代初期ということになるようです。歌舞伎踊りや操り人形を伴う浄瑠璃などの新しい藝能が出てきたことと、一つ前の藝能が「古典化」するのが同時期なのは偶然
知来別シネシンコ @japonsko 当時ソ連に行けたのは特定の属性の方々だけだったから共産主義のあり方や現在を学びに行かれたのでせうなあ。最後の「労働報酬制度」は何か定訳があるのかと思ったがそういうわけではないのね。twitter.com/mountball/stat… 2018-08-14 01:05:19
「本の贈り物」は、新たな本との出会いを作る。 だから僕は、来年2月、「本の贈り物」をする人が増えるような本屋、『Hotaru』を創ろうと思う。 昔から、自分のためになる知識を身につけることは大好きで、起業をして飲食店やITのスタートアップを経営していた時には、年間100冊以上の本を読み漁っていたと思う。それはビジネス書だったり話題書だったり、その時々で「自分が必要としている情報を得るためもの」だった。 しかし今年に入ってから僕は、半年ほどめっきり本を読まなくなってしまった。 多くのプロジェクトが動き始めて本を読む時間が作れなくなったし、インターネットで調べてしまえば、知りたいことは知れてしまうというのが理由の大半を占める。もしかすると、「知りたいことを知るため」なら、わざわざ本を読む必要がないとも感じていたのかもしれない。 では、なぜ僕は本を読むのだろう。 どんな本を読みたいのだろう。 ど
◆ローマ布教聖省活字見本「主の祈り」 1870年 ◆製文堂「活字類見本 未完成」 1894(明治27)年 製文堂は大日本印刷の前身。この見本帳は秀英明朝体の元になったもので現存が確認されている唯一のもの。 ◆ウィーン版「浮世形六枚屏風」 1847年 文字部分は変体仮名の活字で組まれているが、オリジナル(次の写真)に比べて文字数が少ないのが分かる。 ◆永寿堂版「浮世形六枚屏風」 1821年(東京大学総合図書館蔵) ウィーン版「浮世形六枚屏風」のオリジナル。 ◆永寿堂版「浮世形六枚屏風」の表紙 ◆ウィーン王立印刷所活字見本 1876年 ◆ウィーン王立印刷所活字見本(上の写真)の部分拡大 変体仮名のページに同一音の複数の仮名が用意されているのが分かる。 ◆ウイリアム・ギャンブルと本木昌造 中列左から二人目がウイリアム・ギャンブル、前列左から三人目が本木昌造。 この写真は横浜開港資料館・主任研究員
私は「ネットロア」という語をかなり広義に捉えていて、噂や風説といったもの、そこまではっきりしなくても、「なんとなくぼやっと信じられてそうなこと」までも含んでおります。最近は世の流れで時事ネタを多めに取り扱いますが、私自身は「なんとなくぼやっと」のネタの方が、いつもワクワクしながら取り組めています。 というわけで、今回はその「ぼやっと」ネタの、「現代のむかしばなし、昔よりマイルドになってる説」です。 バアちゃん殺されないとか歴史修正主義者の暗躍がひどい pic.twitter.com/EfpqAPpY5Z — 新米先達mayan (@mayan1969) May 8, 2018 ずいぶん前のツイートですが、最近TLに回ってきたので、へえ、と思った内容です。最近の「かちかち山」は、おばあさんは殺されず、しかも改心したっぽいタヌキと和気あいあいと打ち上げパーティーのように終わるんだとか、そういう
すくっと伸びた首から尾までの姿が優美な火の鳥に、角やたてがみが猛々しい龍。茨城県に住むのんさん(31)が、宮城県の実家に帰省中に手作りした作品です。 火の鳥はきゅうりを育てている実家の畑仕事を手伝っている最中に、龍は、直売所で売っていたなすを一目見て思いついたそうです。 ポイントは同じ実家の畑で育てているアスパラガスを使うところ。火の鳥は、首の部分に加え、アスパラガスの葉っぱで尾を作りゴージャス感を演出しました。龍にもアスパラガスの角やたてがみが欠かせません。ちなみにこの世に来る時は火の鳥、あの世に戻る時は龍に乗っていただくそうですが「乗り心地は保証しません」とのこと。
いま見直したい、アジアのアヴァンギャルド。東京国立近代美術館で「アジアにめざめたら」が開催へアジア各地の現代美術の黎明期にあたる1960〜90年代にフォーカスした展覧会「アジアにめざめたら:アートが変わる、世界が変わる 1960 -1990年代」が東京国立近代美術館にて開催される。10を超える国と地域から絵画から映像、パフォーマンスまで多様なアヴァンギャルド・アートが集まる本展は、東京を経て韓国とシンガポールへも巡回予定。会期は10月10日〜12月24日。 東アジア、東南アジア、南アジアを対象に、1960〜90年代に発生した近代美術から現代美術への転換期に焦点を当てる初の展覧会が開かれる。 60〜90年代のアジアは、植民地支配からの独立と急速な近代化、東西冷戦によるイデオロギーの対立やベトナム戦争、 民族間の対立や民主化運動の高揚など、社会を揺るがす大きなできごとが数々起こった。 パブ
自民党の杉田水脈(みお)衆院議員が月刊誌に性的少数者を差別する内容の寄稿をした問題を受け、国文学研究資料館長のロバート・キャンベル東大名誉教授(60)は自身のブログで同性愛者であることを公表し、「ふつうに、『ここにいる』ことが言える社会になってほしい」と訴えた。 キャンベル氏は15日に東京都内で朝日新聞の取材に応じ、発信の理由について「電子空間を通して杉田氏の主張が拡散し、多くの人々を苦しめ、傷つける材料となっている。自らの属性を明らかにしたうえで、反駁(はんばく)しなければならないと思った」と語った。 1985年に来日し、来年で連れ添って20年になる日本人の同性パートナーがいる。昨年8月には米・ニューヨーク州で法的にも婚姻関係となった。これまでも友人や仕事の関係者など周囲には話していたが、広く公表するのは初めてという。 キャンベル氏は杉田氏の寄稿のうち、同性カップルを念頭に「子供を作らな
4年後のカタール・ワールドカップは、世界各国から酷暑を危惧する声が集まり、冬季開催に変更された。しかし今年の日本の夏も地域によっては40度を超えているから、ほとんど気温は中東と変わらない。日本サッカー協会(JFA)は夏の試合のガイドラインを記しているが、Jリーグはナイトマッチに限られているのに、インターハイに参加した高校生たちは日中の連戦をこなした。 【写真】日本代表MF乾貴士、野洲高時代の「懐かしいやつ」というショットも自ら公開 高校総体におけるサッカーの立場は、五輪と似ている。大半の競技の選手たちにとってインターハイは、高校生活で最高の舞台になる。だがサッカーに五輪を上回るワールドカップという大舞台があるように、日本の高校生も年末年始の選手権を集大成と考える。一方で最近はプレミアリーグも行われているので、高校生が日本一に挑戦する機会が年に3度もある。 ところがインターハイも選手権も依然
昔の話は面白い 私は明治あたりの娯楽物語を読むのが趣味なんだけど、実際見たッ!!! みたいな話はメチャ面白い。 『上野合戦 桃川燕林 口演 今古堂 明治二七(一八九四)年』は、いわゆる講談速記本で、講談師が語ったことを速記したものである。演者の桃川燕林は、実際に上野の戦争で官軍に捕まってしまい、殺されそうになったんだけど、たまたま燕林を知ってる人が通り掛り、「そいつは講談師だッ!!」って絶叫してくれたため助かった……という風に、こんな知ってもあんまり意味がない話が面白すぎる。 明治に限った話ではなくて、ジイさんやらバアさんの話は面白い。 私の知人のジイさんから聞いたものだと、戦時中にずっと塩を作り続けたって話がものすごく良かった。その人はいわゆるエリートで、大学を卒業し、そこそこ偉い人として戦争に出る予定だったんだけど、肺の病気になってしまい、日本国内に留まることになる。で、なぜか肺の病気
オッさんの人体は人間よりも糞に近い オッさんは全ての動きが鈍い。物理的な動作はもちろんのこと、脳もトロくさい。俺の脳はトロくさくねぇ!!!!!!!!って怒るオッさんいると思うけど、自分の脳がトロくさくなった事実に気付けないくらいに全体的に鈍臭くなってるわけで、とにかくオッさんはかわいそうだと思われる。 もっとオッさんを大事にして欲しいよなーってオッさんの俺は思うわけだけど、例えばオッさんと甲斐犬が同じ行動してたら、どっちの味方になりたいのか考えてみよう。オッさんが全裸でワーワー絶叫しながら四つん這いで走り廻ってたら、絶対にそのオッさんのこと嫌いになる。しかし同じことを甲斐犬がしてたら、メチャかわいくて絶対に好きになる。そういうことなんだと思われる。 かわいくなくて、体力も理解力も低下しているオッさんにとって、世の中はどんどん厳しくなってきている。最近だとオッさんは、政治的に正しい方法でガン
2017年でクトゥルー神話は誕生100周年を迎えた。ハワード・フィリップス・ラヴクラフトの作品に始まったその世界は、彼と彼の友人を繋ぐコミュニケーションツールとして広がり、やがてその世界は神話となった。 (画像はH. P. Lovecraft – Wikipedia より) こと日本では、アナログゲーム『クトゥルフ神話TRPG』や、テレビアニメ『這いよれ!ニャル子さん』の影響が大きく、クトゥルー神話自体には詳しくなくとも、「SAN値」というワード、あるいは「ニャルラトホテプ」といった名前などを一度は耳にしたことがあるのではないだろうか。 (画像はクトゥルフ神話 TRPG (ログインテーブルトークRPGシリーズ)、這いよれ! ニャル子さん (GA文庫)|Amazonより) また人気のスマホアプリ『Fate/Grand Order』では、2017年11月からクトゥルー神話ネタが登場している。そ
先週、小耳に挟んだのだが、リカルド・コッキとユリア・ザゴルイチェンコが引退するらしい。いや、もう引退したのかもしれない。ショウダンス界のスターコンビだ。とびきりのダンスを見せてきた。何度、堪能させてくれたことか。とくにロシア出身のユリアのタンゴやルンバやキレッキレッの創作ダンスが逸品だった。溜息が出た。 ぼくはダンスの業界に詳しくないが、あることが気になって5年に一度という程度だけれど、できるだけトップクラスのダンスを見るようにしてきた。あることというのは、父が「日本もダンスとケーキがうまくなったな」と言ったことである。昭和37年(1963)くらいのことだと憶う。何かの拍子にポツンとそう言ったのだ。 それまで中川三郎の社交ダンス、中野ブラザーズのタップダンス、あるいは日劇ダンシングチームのダンサーなどが代表していたところへ、おそらくは《ウェストサイド・ストーリー》の影響だろうと思うのだが、
お盆というのは不思議な時間だ。 もう会えなくなった人や、かつて人だったものともう一度会う、そんな非科学的なことがこの乾き切った現代でも堂々と残されていることに、思い返すと驚く。 盆が猛暑日にあることはきっと偶然じゃないだろう。鳴り止まない蝉のシャワーと朦朧とする意識の中、蜃気楼の先で揺れ動く陽を誰かの影に重ねる。こんな季節が選ばれたことも頷けるような、平成最後の夏、焦げかけた太陽。 プロジェクトFUKUSHIMA!という動きは当然知っていたが、生まれつきの天邪鬼のせいもあってか参加するのは八回目の今回がはじめてだった。はじめに断わっておくと、これは評論なんてたいそうなものではなく、ただの感想文です。 マヒトゥ・ザ・ピーポー『ひかりぼっち』 Amazonで購入 本連載に13編の書き下ろし他を加えた書籍が、2020年11月17日、イースト・プレスよりに発売されます。 いつ、どの部分を遺書として
『校正のバイトをしててよく直す箇所10選|bxjp|note(ノート)』という記事を読んで、よくパターン化されていて素晴らしいって思っていました。ところが、記事の趣旨を勘違いした方からの冷たい反応を受けて有料にされたということで、あまりも残念なので自分の立場で再編してみました。1~10は元記事のパターンに対してぼくの考え方を添えたもの、A以降は、元記事を見てぼくが反射的に思いついたパターンです。 まあ、こういうパターンは便利だけど、パターン化できる修正を積み重ねれば悪文がなくなるほど自然言語は簡単ではないので、編集や校正をする人はたいへんですね。 自分は、こういうパターンも直すけれど、段落の役割を整理する、みたいな修正のほうが専門です。(専門とは?) 追記:これは文の書き方指南じゃなくて、文の編集校正で何をやってるか報告です。 1. 順接の「が」が頻出 順接の「が」は撲滅を目指すべきです。
開催期間:2018年8月14日(火)~10月14日(日) 休館日:毎週月曜日(ただし、9月17日(月・祝)、9月24日(月・振休)、10月1日(月)、10月8日(月・祝)は開館、9月18日(火)、9月25日(火)、10月9日(火)は休館) 料金:一般 500(400)円/学生 400(320)円/中高生・65歳以上 250(200)円 ※( )は20名以上の団体料金、当館の映画鑑賞券ご提示者、各種カード会員割引(ご利用案内をご参照ください)/ 小学生以下および都内在住・在学の中学生、障害手帳をお持ちの方とその介護者は無料/第3水曜日は65歳以上無料/当館年間パスポートご提示者無料(同伴の方1名様まで無料) ※8月16日(木)~8月31日(金)の木・金18:00-21:00は学生・中高生無料/一般・65歳以上は団体料金*各種割引の併用はできません。※9月17日(月・祝)敬老の日は65歳以上は
この本の内容 日本人の不幸と幸せのドラマが鳴り響く、義太夫こそわたしたちの心の音楽だ! 知の巨人にして、古典芸能の最高のナビゲーターによる義太夫入門書。鶴澤寛也との対談収録。 著者 橋本 治 (ハシモト オサム) 1948年、東京生まれ。イラストレーターを経て、77年小説『桃尻娘』を発表。『「三島由紀夫」とはなにものだったのか』で小林秀雄賞、『蝶のゆくえ』で柴田錬三郎賞を受賞。著書多数。2019年没。 この本の感想をお寄せください 本書をお読みになったご意見・ご感想などをお気軽にお寄せください。 投稿された内容は、弊社ホームページや新聞・雑誌広告などに掲載させていただくことがございます。 ※は必須項目です。恐縮ですが、必ずご記入をお願いいたします。 ※こちらにお送り頂いたご質問やご要望などに関しましては、お返事することができません。 あしからず、ご了承ください。お問い合わせは、こちらへ
乳母政岡が「時を駆けるオバサン」であり、頼朝が「スケベな寺子屋の師匠」であるのは、なぜか? 著 橋本治 筑摩書房 /ちくま文庫 [アート・カルチャー] 国内 2006.01 版型:文庫 >>書籍情報のページへ 現在ではそうした「大衆娯楽文化」の体系はほとんど解体されてしまったかもしれませんが、比較的最近まで、歌舞伎及び、そこから派生し普及した新国劇や女剣劇、チャンバラ時代劇映画、チャンバラ活劇漫画、紙芝居諸々の芸能・娯楽は、立派に現役のエンターテインメントとして通用していました。したがって、今もなお、歌舞伎の中には、現代的なエンターテインメントの範疇内で理解して楽しむことが可能な要素が、案外たくさん含まれています。 というわけで、わたしのような無知無教養な歌舞伎観客でさえ、『暫』で、屋台の上に鎮座まします悪の親玉清原武衡以下、舞台にずらりと居並ぶ派手派手しい悪人一同を眺めて、「わーすごい
「考える人」誌上で『浄瑠璃を読もう』の連載を始めたのは二〇〇四年のことですが、実はその前からイラストレイターの岡田嘉夫さんと組んで、歌舞伎の演目を絵本にするという仕事を始めていました。『仮名手本忠臣蔵』から始まって『義経千本桜』『菅原伝授手習鑑』『国性爺合戦』『妹背山婦女庭訓』の五作で、先々月にようやく完結しました(ポプラ社刊)。 近世人のややこしいドラマを子供に分かるように書くというのは、すごくむずかしいようで、実はそうでもありません。「なんということでしょう」とか「大変です」というような言葉を接続詞的に使って文章作者が身を乗り出してしまうと、なんとなく話の説明が出来てしまうのです。私が絵本にした五作品は、すべて『浄瑠璃を読もう』にも収録されていて、ベースは義太夫節の浄瑠璃です。人形浄瑠璃は太夫が全篇を語ってしまうものであることを考えれば、作者が登場人物の立場に立って読者を先導してしまう
――越境者としてのクラウス・オガーマン(1930-2016)クラウス・オガーマンという名をご存知の方は、関連作としてどのアルバムを最初に思い起こされるだろうか――やはり知名度が高いのはボサノヴァの父アントニオ・カルロス・ジョビンのアルバムだろうか? それともビル・エヴァンスとのアルバムだろうか? いずれにせよ、オガーマンの名を高めたのは「アレンジャー」としての能力であり、とりわけストリングス・アレンジの美しさで人気と評価を得たのは間違いないと思われる。 ガンサー・シュラーよりも5歳年下のクラウス・オガーマン Klaus Ogermann [※本来はKで始まり、n 2つで終わるスペルであった] は、1930年4月29日にドイツのラーティボーア(現在はポーランド領のラチブシュ)で生まれた。意外と知られていない彼の人生の全体像を追ってみよう。 1930-59年:ドイツでの修行・下積み時代オガー
ISBN:978-4-487-81189-2 定価1,870円(本体1,700円+税10%) 発売年月日:2018年08月25日 ページ数:176頁 判型:A5変形 解説: 数字の成立と、計算の歴史の上にできあがったコンピュータ。 毎日使っているのに、実はどうやって動いているのか知らないコンピュータのしくみを、理系男子とヘンテコな妖精の対話形式で紐解きます。 0と1だけで、なぜコンピュータは複雑な計算ができるのか? そんな疑問に、明快に答えてくれる、世界で一番わかりやすいコンピュータの本です。 第1部 数字で情報を表す 第1章 数字の歴史 第2章 二進法の数字とコンピュータ 第3章 数字による情報の表現 コラム バビロニアの数字と、ゼロの発明 第2部 電気で計算を表す 第4章 コンピュータでの足し算 第5章 「電気による計算」までの旅路 第3部 コンピュータの頭脳 第6章 コンピュータに命
精神病院 『スカイ・クロラ』 エロス 自己否定への反動 『イノセンス』 『スカイ・クロラ』 土方巽 珍種扱いのアニメと舞踏 廃墟願望 沈黙期間三年目 教養主義 身体のリアル 作者: 押井守,最上和子 出版社/メーカー: KADOKAWA 発売日: 2017/10/04 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る 精神病院 最上 精神病院に就職したときは27か28歳で看護助手という身分で入って。そこで2年ぐらい働いて、看護師になる決心をして、もうちょっと条件のいい病院に移って、そこで働きながら看護学校に行くという順番でしたね。(略) 仕事はとにかくキツかった。忙しかったし、そして怖い。急性期の患者さんとかすごく怖かった(略) いろんなことがあるからすごく怖いいつも逃げたかった。 (略) 押井 でもちょっとわかる気がする。私も学生のときに当時精神病の本とかいっぱい読んでて、そういう映画作ろ
和歌山県立博物館ニュース 和歌山県立博物館から最新の情報をお届けします。(ブログ内の画像の使用・転載にあたっては和歌山県立博物館の許諾が必要です。) 企画展 和歌山の文化財を守る ―仏像盗難防止対策と近年の文化財修理― 会期:平成30年(2018)9月1日(土)~10月4日(木) 全国で仏像など文化財が盗まれる事件が多発しています。和歌山県では、平成22年(2010)~23年春にかけての1年間で、約60か所のお寺やお堂から仏像172体などの文化財が盗まれるという、過去に例のない連続文化財盗難被害が発生しています。また昨年から今年にかけても、岩出市、紀の川市、和歌山市で60体を超える仏像が盗まれており、非常事態ともいうべき状況となっています。 長い間信仰され守られてきた「仏さま」が盗まれる大きな要因は、地域住民の高齢化や人口減少によってお堂や祠の日常的な管理が困難になる中、そうした隙を換金目
碩学が語る入門書の凄さ 今から50年前、大学受験の勉強にいそしんでいた(?)とき、小西甚一『古文研究法』、小林信明『漢文研究法』の2冊には随分教えられることが多かった。ただし熱心に読みふけった割に、入試の点数はもう一つだったように思う。今回『漢文研究法』なる書名に惹かれたのは、その頃の思い出がよみがえったからか。 『漢文研究法――中国学入門講義』(狩野直喜 著 平凡社東洋文庫) しかし今回手にした書物は、漢文というより中国で書かれた多種多様な書物、典籍をいかに研究するのかを語ったものなのである。おまけに入門講義と題しながら、極めて高度な内容で、ついていくのに四苦八苦して、酷暑の夏がますます堪(こた)えた。 本書は今から100年前、京都大学の碩学である中国学者狩野直喜が京都で行った一般向けの5回に及ぶ講義をまとめたものである。これに加えて「経史子概要」、「漢文釈例」などを収め、狩野直禎による
泣きまくる朝日新聞、涙で「天皇陛下……」と絶叫 終戦の日、1945年8月15日。 朝日、毎日、読売、日経、産経の5紙はこの日をどのように報道したのか。すべて同じと思いきや、比較すると意外にもその差異が浮かび上がってくる。 まずは、朝日新聞からみてみよう。 この日の朝日は、とにかく泣きまくる。社説も「一億相哭(そうこく)の秋(とき)」。「相哭」は「みんなで泣く」という意味だ。その名のとおり、天皇も、臣民も、涙、涙の様相である。 「誰か涙なきを得るものぞ」「言々句々、御血涙の結晶」「この度の大詔を拝しては、必ずや哭(な)かずにゐられないであらう」「相懐いて哭するの情に堪へない」「君国の直面する新事態について同胞相哭」。 2面の記事もタイトルで泣いている。「玉砂利を握りしめつゝ宮城を拝したゞ涙」。しかも、その内容は社説よりすさまじい。 書いた記者は、正午の玉音放送にあわせて、宮城(皇居)前広場に
〇高野秀行、清水克行『辺境の怪書、歴史の驚書、ハードボイルド読書合戦』 集英社インターナショナル 2018.4 世界の辺境を旅するノンフィクション作家・高野秀行氏と、日本中世を専門とする歴史家・清水克行氏の対談本第二弾。前作の『世界の辺境とハードボイルド室町時代』(集英社インターナショナル、2015)がめちゃくちゃ面白かったので、今回も絶対面白いに違いないと分かっていて読んだ。本書は、三ヶ月に一度、共通の本を読んできて語り合うという形式の読書対談、いや読書合戦である。取り上げられた課題図書は、以下のとおり。 ・ジェームズ・C・スコット『ゾミア:脱国家の世界史』みすず書房 ・村井章介『世界史のなかの戦国日本』(ちくま学芸文庫) ・イブン・バットゥータ『大旅行記』全8巻(東洋文庫)平凡社 ・『将門記』(新編日本古典文学全集)小学館 ・町田康『ギケイキ:千年の流転』河出書房新社 ・ダニエル・L・
東京都写真美術館「マジック・ランタン 光と影の映像史」(8/14~10/14)の内覧会に行ってきました。いやあ、視覚文化史に興味のある人はぜひ行ってほしい、面白い展示でした。まず展示場に行き、夢中になって観ていたので、レセプションには行かずじまいになってしまいました(すいません)。が、多分また観に行くと思います。 まず欧州のマジック・ランタンの様々な資料(装置実物、種版、状況を描いた絵、コマ・マンガのように並べられた絵、さらにリュミエールとメリエスの映像)はもちろん、大変勉強になりました。まさに19世紀視覚文化の欲望と変化をたどる展示です。これらは1920年代、まさに映画の隆盛とともに衰退したようです。 もうひとつ、日本の江戸~明治期の「写し絵」の展示も素晴らしく興味深い。江戸東京博物館の「写し絵」の再現された解説映像も面白かった。止め絵であるそれぞれの写し絵を、揺らしたり、距離を微妙に変
江戸時代の書物の紙に含まれていた毛髪を分析したところ、当時の庶民の食生活が見えてきた――。そんな研究結果を14日、龍谷大などの研究チームが発表した。時代が進むにつれて、海産魚をよく食べるようになったことなどが、元素の分析から推定されるという。 龍谷大の丸山敦准教授(生態学)によると、江戸時代の都市では出版ブームが起こり、たくさんの書籍が発刊された。大量の紙が必要なことから、古紙の回収や再生紙づくりも盛んになり、この過程で毛髪が紙に埋め込まれた。これらの毛髪は、たまたま混入した可能性のほか、耐久性を上げるための材料として、意図的に混ぜられたとする説もあるという。 チームは、江戸時代に作られた書物から、130サンプルの毛髪を採取。炭素や窒素の同位体の割合を分析し、食生活を調べた。 その結果、1700年以降の200年間に、海産魚を食べる割合が徐々に増加していったことが裏付けられた。漁業技術が発達
時々、校正・校閲の仕事をバイトでやっています。主に、文字・文法の間違いを正すのが校正、文章内容の事実関係の間違いを正すのが校閲、です。 校正の仕事の中心は、誤字脱字衍字や助詞(「てにをは」など)の修正ですが、「それ以外も気になったところは赤字を入れてください」と言われる場合があります。そうして見ていくと、たびたび手を入れる箇所、定番の直しというのが浮かんできました。 ここでは文章を書く人に向けて、「別に直さなくてもいいかもしれないけど、気をつけた方が読みやすい文章になるんじゃない?」というのを10コ選びました。ワタシは校正を「文章の間違いを無くす」だけでなく「文章を読んだときの違和感を無くす」ものだと考えています。なので、他の人だったら直さないかもしれないものもあります。あくまで目安として読んでください。先に項目だけ抜き出します。 1. 順接の「が」が頻出する 2. 「も」を使いがち 3.
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