今月4日、量子力学の発展に貢献し量子コンピューターなど量子技術の土台を築いたとして、米欧の3人の研究者が2022年のノーベル物理学賞を受賞すると発表された。 近頃ニュースでよく取りあげられるが、その内容や重要性を理解するのが難しいと感じる「量子コンピューター」という存在。スーパーコンピューターで処理が100~200年掛かる計算を10分で出来るとも言われ、産業や社会を大きく変える可能性がある次世代の高速計算機だ。 量子コンピューターは、その利用が既に始まっていると聞くが、その全貌を捉えきれない。そこで、既に量子コンピューターの運用を始めている日本IBMの山口明夫社長に色々と聞いてみようと本社を訪ねた。 量子コンピューターの仕組み そもそも量子とは何なのか。量子とは粒子と波の性質を併せ持ち、複数の場所に同時に存在する、とても小さな物質やエネルギーの単位。物質を形作っている原子や電子、光子などが