着工が迫るリニア中央新幹線をテコに、利用客が伸び悩む中部空港(愛知県常滑市)が活路を探る。首都圏の羽田や成田を使う客を取り込もうと、アクセス向上へ名古屋駅での複雑な乗り換え問題に取り組む動きが出てきた。航路を増やし空港自体の魅力を高めようと、ジャカルタ直行便の来春就航にもこぎ着けた。 【写真】中部空港=2009年9月、愛知県常滑市 「東京へのストロー効果が言われるが、こちらの方が伸びしろがある」。JR東海がリニア工事実施計画への認可を国土交通省に申請した8月26日、愛知県の大村秀章知事は記者団を前に、名古屋に向けた人の流れの加速に期待を込めた。 2027年予定のリニア開業に向け、現実味を帯びるのが首都圏との「空の客」の奪い合いだ。品川―名古屋は新幹線での約1時間半から約40分に短縮。名古屋駅から名鉄特急に乗れば、乗り換え時間を含め中部空港まで計80分ほどになる。品川―成田空港の約70分