知人の出征時、国旗にした寄せ書きのコピーを手に戦時中を振り返る中津川賢三さん=群馬県伊勢崎市南千木町で2023年7月31日午後2時26分、大澤孝二撮影 群馬県伊勢崎市の中津川賢三さん(87)には忘れられない記憶がある。1945年8月15日未明にかけて米軍により攻撃された「伊勢崎空襲」で、夕日のように燃えさかる集落を目にした。戦闘機は低空飛行しながら機銃掃射を浴びせかけた。「ダッダッダッダッ」とうなる音におびえながら、命からがら逃げ延びた。「少しでも動いていたら撃ち抜かれていたかも、と今でもぞっとする」と振り返る。15日は終戦の日。【大澤孝二】 突然の出来事だった。当時住んでいた同市内の自宅で空襲警報のサイレンが聞こえ、地響きのような衝撃が走った。9歳だった。父の常平さんが草津の硫黄鉱山の採掘作業から3カ月ぶりに戻り、家族でゆっくり過ごして就寝したばかりだった。
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