「ママ」と慕われるクライミング施設のオーナーは初めて見た。令和4年2月にオープンした全国初のユニバーサルクライミングハウス「ロック・オン・ザ・ビーチ」(京都府京田辺市)を運営する浜ノ上輝さん(63)だ。 車いすや白杖(はくじょう)の人も安全にアクセスできることを優先し、土地から探して新築した珍しい施設だ。近鉄京都線の三山木(みやまき)駅から徒歩8分。幹線道路沿いではないが横断歩道があり、見通しも良い。 きっかけは、中学2年で難病の「網膜色素変性症」と診断された長男、文哉さん(34)が東京でクライミングを始めたこと。2018年、「パラクライミングの日本代表になった。インスブルックに行く」と突然連絡があり、訳が分からないまま長女と応援に駆けつけて初めて、クライミングを生で見た。 国際スポーツクライミング連盟(IFSC)が2年に1度開催するパラクライミング世界選手権。文哉さんが出場したオーストリ