三島駅の名物、えぐれたホームに入線した後の185系踊り子号と 『週刊プレイボーイ』で連載中の「ライクの森」。人気モデルの市川紗椰(さや)が、自身の特殊なマニアライフを綴るコラムだ。今回は鉄道マニアの彼女が、185系「踊り子号」について語る。 * * * 3月は鉄道ファンにとって別れと出会いの甘酸(あまず)っぱい季節。今回のダイヤ改正ではついに185系「踊り子号」が定期運行を終え、ひとつの時代に幕が下ろされます。 都心から静岡・伊豆方面への足として、1981年にデビューした国鉄型の特急車両である踊り子。都市部の花形路線で活躍した車両を地方路線に転用するというよくあるパターンではなく、踊り子は登場してから40年、毎日東京駅に入線し続けている珍しい存在。鉄道に興味がなくても、首都圏に暮らす人なら見覚えのある名車両です。 ツルツルのステンレスやアルミ製の車両が並ぶなか、踊り子のゴツゴツした鋼製のボ