インターネットの登場により、既存メディアはいま転換期にある。ではメディアの古典である新聞はインターネットをどう生かすかのか? それとも新聞はネットの大波に飲み込まれるのか? この連載では各新聞社のキーマンを直撃し、彼らのネット戦略や時代認識を読み解いていく。今回は前回に引き続き、産経グループのネット戦略を見てみよう。 もうひとつの核となるサイト「イザ!」 産経新聞本紙の編集長がウェブを兼務する 産経デジタル取締役の近藤哲司氏は、紙のメディアとウェブ媒体は「深さと広さがちがう」と語る。そしてこうした分析にもとづき、ウェブならではの特徴を生かした媒体作りにチャレンジしていきたいと話す。 産経デジタル取締役の近藤哲司氏 「紙というのは凸版印刷が発明されて以来、ひとつの形として完成されています。しかし新聞の面積や厚さは限られており、そこに載せる記事は選ばざるを得ない。つまり新聞は本質的に『薄く広