ソフトバンクが創業以来の危機に直面している。総額216億ドル(約1兆8000億円)を投じて買収した米携帯電話3位、スプリントの経営不振が深刻化しており、再建の道筋が見なくなっているからだ。スプリントの2014年10〜12月期の最終損失は23億7900万ドルに膨らみ、年間では前年より10%多い33億ドルに上った。5月5日に発表した2015年1〜3月期決算では最終損失が2億2400万ドルに減少したが、前年同期の1億5100万ドルを上回るペースだ。 ソフトバンクの孫正義社長は2月10日の決算会見で「再建は道半ばだが、改善している」と説明したが、その顔色は曇りがちだった。収益減の携帯電話契約数は減少傾向が続いている。収益性の高い後払いベースの契約数は前年同期より17万件増えたものの、3月末の契約数は5714万件にとどまり、4位のTモバイルUSをわずか31万件上回ったに過ぎない。 高速データ通信