1945年の終戦から70年が経った。 これだけの月日が経ってもなお、我々は、この戦争に端を発する問題と直面し続けている――慰安婦問題、韓国徴用工訴訟、閣僚による靖国神社参拝の是非…。 そこで、あの戦争がなぜ起こったのかを改めて考える。 今回のテーマは「昭和陸軍のキーパーソンたち」だ。 本来なら上意下達が不文律であるはずの陸軍で、満州事変を機に下克上の風潮が広まった。関東軍と共に満州事変を進めた一夕会のメンバーは、彼らに近い荒木貞夫を陸軍大臣に就け宇垣派をパージすることに成功する。 中編では、一夕会による陸軍大臣の掌握と、下克上を振り返る。(司会は森 永輔・日経ビジネス副編集長) (前編はこちら) そういう流れだったのですね。なんとか一夕会と関東軍を抑え込んだにもかかわらず、政権が若槻礼次郎・民政党内閣から犬養毅・政友会内閣に代わって、荒木貞夫が陸軍大臣に就任すると方針が変わってしまった。そ