神戸市北区で2008年9月、当時小学5年生だった少年(15)の自転車にはねられて意識不明の状態が続いている女性(67)の夫と、保険金を支払った損害保険会社が、少年の母親に計約1億590万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が4日、神戸地裁であった。 田中智子裁判官は「自転車の運転に関する十分な指導や注意をしていたとはいえない」として、計約9520万円の支払いを命じた。 判決によると、少年は自転車で帰宅中、歩道のない下り坂で正面から歩いてきた女性と衝突。女性は頭などを強く打ち、今も寝たきり状態が続いている。 判決で田中裁判官は「少年の前方不注視が事故の原因」と認定。兵庫県警の鑑定書で、自転車の速度が時速20~30キロと速かったことなどを挙げ、「母親の指導は奏功しておらず、監督義務を果たしていなかった」と指摘し、「危険な運転ではなかった」などとする母親の主張を退けた。 そのうえで、女性の成年後見人と