プログラマ兼業ライター。著書に「叫ぶ! Cプログラマ」,「プログラマを笑え」その他。最新刊は「Mac OS X/iPhoneのためのCocoaプログラミング入門」。 変わった本である。タイトルの通り「発明」というものをテーマに,それがどのようにして始まるのかということに関して考察しているわけだが,それってどんなことか,想像がつきますか? 言葉にするのは簡単だが,では具体的にどんなことが書かれているのかということになると,ちょっと雲を掴むようなトコロ,あるでしょ? 著者の主張はこうだ。すべての「発明」は無から突然生み出されたものではない。たとえば飛行機,一般的には「ライト兄弟が発明した」ということになっているが,彼らが飛行機に関する技術のすべてを考え出したわけではなく,9世紀にベルベル人の科学者アッパース・イブン・フィルナースが製作した初歩的なグライダーから綿々と蓄積された発明・発見の蓄積
プログラマ兼業ライター。著書に「叫ぶ! Cプログラマ」,「プログラマを笑え」その他。最新刊は「Mac OS X/iPhoneのためのCocoaプログラミング入門」。 ついてるオビに「なぜゴキブリは嫌われるのか?」と大書されている。そんなのあたりまえぢゃないか,と思いますか? 本書によればゴキブリが現在のように「害虫」として扱われだしたのはごく最近,なんと戦後になってからなのだ。そもそもこの昆虫をよく見かけられるような,食物が豊富で冬でも温かい環境が一般に普及したのは高度成長期以降のことであって,それまで不通のヒトにとって「お金持ちの家にいるムシ」であり,地方によっては憧れの対象であったところもあるとか。 この例のように「害虫」は人間の側の都合によって誕生し,近代国家の形成,植民地支配,戦争などと密接な関係を持ってきた。本書は日本近代史を,この「人間と害虫との関わり」という視点から再構築し
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