前に一度ここに書いたのだが、どうでもいいやと思って削除したら、その後大ベストセラーになってしまった。なのでもう一度書く。 三浦展の『下流社会』は、佐藤俊樹や山田昌弘の「階層化社会」論のパロディーのつもりで書かれたのだと思う。ところが意想外に売れてまじめに受け止められてしまったので、今さら「パロディーでした」とは言えなくなってしまった。 その根拠は、最後の提案のところで、もし学力が遺伝ではないのなら、東大の学費を半額にせよ云々とあり、佐藤や山田の名が出ている。しかし学力には遺伝もある、ということは私が『すばらしき愚民社会』で書いたことで、これは参考文献にあがっている。従って、「もし遺伝でないのなら」というのは反語である。つまりむやみと階層社会論を煽る者らを揶揄するのが本書の意図だった、ということだ。 ところでアマゾンには、三浦展によるこんな書評がある。 今橋流郊外論が早く読みたい。, 200