坂村健---いわずと知れた日本を代表するコンピュータ・アーキテクト,自称「電脳建築家」である。1980年代に提唱した「TRON」プロジェクトで名を馳せ,最近はRFID(無線タグ)に関する研究の陣頭指揮を執る。RFIDを張った大根やレタスを片手に,安全な社会を実現する上でこの新技術がいかに重要かを切々と説く。同氏は,「ユビキタス」という概念を日本で広く知らしめた立役者といえるだろう。 その坂村氏が筆を執った。書のタイトルは「グローバルスタンダードと国家戦略」(NTT出版)。同氏は,TRONあるいはRFIDの技術開発を通して常に米国の研究者と競い合ってきた。コンピュータ業界において,標準技術がどのように確立されるかを目の当たりにしながらの研究生活だった。 市場で大きなシェアを取った技術がデファクト・スタンダードとなることもあれば,国際標準化機関における議論を経て定めた仕様がディジュール・スタン
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