現在、アメリカ合衆国にはマイクという名の要注意人物が3人いる。マイク・グラベル、マイク・ブルームバーグ、そして、日本にもお馴染みの“野球帽を被ったむさ苦しい男”マイケル・ムーアだ。 今回はその、マイケル・ムーアの話題。彼の最新作『Sicko』(日本語タイトル『シッコ』、今年8月公開予定)は今年6月29日から全米で公開されるが、その前評判が凄まじい。特徴的なのは、前作『華氏911』と違い、今回はリベラル派はもちろん、かつてムーアに批判的だった人々からの支持も拡大しつつある事実だ。ワシントンで開催されたプレミア試写会にはダレル・アイシャ議員(共和党・カリフォルニア州)も姿を見せ、「医療危機問題は党派を超えた課題ですからね。」と作品を讃えた。前作に冷静だった政治批評家達からも、「ムーアのキャリア中ベスト作品」との呼び声が上がり始めている。 ムーアは、『シッコ』でアメリカの医療危機問題をテーマにし
『華氏911』の大ヒット以降、総じて沈黙を保っている米ドキュメンタリー作家マイケル・ムーアが、次回作の公開に向けていよいよ活動を再開したらしい。『Sicko(病人)』という仮タイトルの次回ドキュメンタリーは、今年5月に開催予定のカンヌ映画祭での初公開を目指して編集作業が進められているという。(4月20日追記:ムーア公式サイトの最新ニュースによれば、今年のカンヌ映画祭は5月16日-27日、『Sicko』は特別招待作品として上映が決定したとのこと。) 以前から報道されている通り、新たにムーアが取り組む課題はアメリカ医療システム危機問題、特に巨大製薬企業の問題が標的となるとみられている。 米保守派タブロイド紙NYポストによれば、ムーアは911テロ事件現場で救急活動や瓦礫の撤去に携わり、有害な塵を吸い込んで呼吸器官に深刻な障害を負いながら合衆国政府の支援を受けられなかった人々の一部をキューバに連れ
スパイナル・タップ [DVD] 出版社/メーカー: ユニバーサル・ピクチャーズ・ジャパン発売日: 2007/04/01メディア: DVD クリック: 5回この商品を含むブログ (9件) を見る 『ラトルズ4人もアイドル! [DVD]』と並ぶ音楽パロディ・コメディ映画の名作。ネタはヘヴィ・メタルで、ザ・フーとかレッド・ツェッペリンとかの「ロック伝説」のパロディがあちらこちらにちりばめられている。ドラマーが他人の吐瀉物を喉に詰めて死んだり(もちろんボンゾの話のパロディ)。アメリカでは、大学などで繰り返し上映されていたいわゆるカルト・ムーヴィだけど、何故かあんまり日本では話題になってこなかった。新盤のDVDが出るってんで、予約して購入。 げっ。歴代ロック映画ベスト1になってるよ。『ラスト・ワルツ』とか、『さらば青春の光』とか『ハード・デイズ・ナイト』を押さえて→歴代ベストロック映画にスパイナル・
驚くことが三つあった。 一つめ。 選挙運動が始まったので、窓の下を連呼の声が通る。 うるさいなあと思いながら仕事をしていたら、突然「県会議員候補かどのぶおの娘でございます」という声が聞こえてきた。 いま県会議員をされている門信雄さんは私がるんちゃんといっしょに芦屋の山手町の山手山荘という古いマンションに住んでいたときのお隣さんである(その頃門さんは芦屋市議だった)。 その娘はれいこちゃんといって、るんちゃんと同い年で、ふたりはよく行き来して遊んでいた。 れいこちゃんはその頃は七つか八つか、それくらいのちびちゃんだったが、その子がもうお父さんの選挙運動の手伝いをして「父をよろしくお願いします」とマイクを握って沿道に手を振るようなお年頃になったのである。 転た、感慨に堪えぬのであります(@佐分利信 in『彼岸花』)。 るんちゃんにメールを送ると、すぐに「そうか〜。れいこちゃんも政治活動している
フルメタル・ジャケット [DVD] 出版社/メーカー: ワーナー・ホーム・ビデオ発売日: 2006/12/08メディア: DVD クリック: 11回この商品を含むブログ (72件) を見る監督:スタンリー・キューブリック ベトナム戦争を題材にした作品は数多くあるけれど、最も強烈な印象を残したのはこの作品だ、と、思う人は多いんじゃないだろうか。私もそう思ってた。けど、それはたぶん自分の感想ではなかった。久々に見てみたら、後半部分はほとんどはじめて見る映画みたいに感じて、あー、これは戦争映画だったのだな、と改めて思ったりしたからだ。まあ、実際に前半と後半で全く別の映画に見えるような作品で、後半を新鮮に感じたのは、前半が強烈すぎるせいもあるけれど。 たまってたIKKIで「ディエンビエンフー」読んだり、誰かのちょっとした引用が重なったりで最近、この映画を思い出すことが多かった。でも、そんなのはほん
三月なのに寒い日が続いている。富士山はまだまだ白い。朝、昨晩から引き続き資料作成、昼、クラブハウスサンド(セサミ)にピーマン、ピクルスたくさん、ジンジャーエール。新顔のクラブハウスサンドには小さいオムレツが搭載されている。午後から京橋にて打ち合わせ。何度説明しても飲み込めない(飲み込まない)わからず屋め。それから神田へ。あー、扇のマークの某所にお邪魔する用事が作れない。そろそろ期限が迫っているのに。それと最近、とあるお茶屋さんでカンノーリというシチリア産の菓子を初めて食べました。ちょっと感動。筒状に丸めて揚げた皮に、ドライフルーツやらピスタチオやらをリコッタチーズで和えたクリームが詰まってて、サクサク食べてると幸福になれます。こないだハニ・アブ・アサド監督『パラダイス・ナウ』を観た(@写美)ので、以下感想文。ヨルダン川西岸の街、ナブルスで自動車修理工として働く二人の青年が、殉教作戦(自爆テ
はい、というわけで、前回のクイズの答えは「いちからじゅう」でした。ピタゴラスイッチより。直接答えを下さった方、ありがとうございました。何か送っておきます。しかし、最近の幼児番組って、なんだかものすごくシュールなのね。 エドワード・サイード OUT OF PLACE [DVD] 出版社/メーカー: 紀伊國屋書店発売日: 2006/11/25メディア: DVD購入: 3人 クリック: 27回この商品を含むブログ (27件) を見る 去年京都で上映会があったのを見損ね、この度京都シネマで上映開始したので、観てきました。 初日ということで、岡真理さんとジャン・ユンカーマンさんの対談付き。本来は監督の佐藤真さんが来るはずだったのが、過労でダウンとのこと。 美学的に好みでした。サイードの自伝に触発され、そのゆかりの地を探訪するというロードムービー風の、淡々とした時間の流れが、観客を無理なく問題の核心へ
続・夕陽のガンマンposted with amazlet on 07.03.1120世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン (2007/01/26) 売り上げランキング: 11998 Amazon.co.jp で詳細を見る エンニオ・モリコーネって涙腺を緩ますような綺麗なメロディばっかり書く人だとばかり思ってたんだけど「本当は全然ちがくて結構《前衛》の人だったんじゃねーの……?」と思ってしまった(ちなみに作曲の師匠はペトラッシというイタリアの20世紀音楽の第一世代に位置する人だ)。『夕陽のガンマン』のテーマ曲よりも、『続』はハードな色合いが強くて、っていうかいきなり野犬のようなシャウトですごいのな……。ギターもなんかプログレみたいで、PFMよりもアレアっつー感じ。実際70年代にはモリコーネっていくつかのプログレバンドと組んでオーケストラ曲書いたりしてるので「モリコーネ=プログ
昨夜、仕事を少し早く切り上げて、観に行ってきました、『ボビー』。 個人的には、大画面でRFKの姿を見られて、たっぷり彼の声が聞けたから、もうそれだけで大満足で、☆5つ!という気分ですが、世間的には結構評価、厳しいみたいですね^^;。少なくとも、チェックして回ったアメリカのレビューは、かなり点が辛い。チェッ。 いいんだもん。私はRFKの実写フィルムが大画面で見られれば。 いや、映画としても、結構出来はよかったと思いますよ。(ボビーの姿に目をくらまされているので、私の評価はあてにならないケド。)私好みでした。 特にメキシコ人のホセの話は気に入っています。 それと、チェコからやってきた記者の話も好きだな。 1968年は「プラハの春」だったんですね。 映画を観るまで時代的なつながりについて全く考えが及びませんでしたが。 RFKが殺されて二ヵ月後にはもう、チェコ事件だもんなあ…。それを思うと、なおさ
周防正行監督の11年ぶりの新作は、痴漢行為の冤罪裁判を扱ったものだが、まさに「世界レベル」というしかない大変な傑作に仕上がっている。 ここ数年の、犯罪や裁判を扱った世界中の映画のなかでも、その完成度においてトップクラスに入る出来だろう。 この作品の土台にある、監督の社会に対する意識、感情というものははっきりしている。 それが端的に示されているのは、たとえば役所広司の演じるベテラン弁護士が、ある冤罪的な事件の被告の無実を勝ち取ろうとして挫折することになった若い弁護士を叱咤する場面である。 『われわれが相手にしているのは国家権力だぞ。そんなことぐらいでへこたれてて、勝てるわけがない』 そういうふうに言う。 つまり、警察や司法制度を含む国家権力、そしてその行政機構の歪んだあり方に対する批判と対決の意志を持つ人たちの姿が、強い共感をこめて描かれている。 だが、ここで批判的に語られている「国家権力」
阿部和重と中原昌也の対談『シネマの記憶喪失』は、『文學界』の連載をまとめたもので、いちばん最初にアナウンスされているとおり、そもそもは「映画覚書」という阿部の映画評を対談形式にリニューアルした内容なのだが、現在は、阿部が抜け、かわりに毎回異なったゲストを中原が迎える「映画の頭脳破壊」というコーナーへと、さらに変更されている。企画は残り、ホストが変わる、というのは、まるでテレビのトーク番組みたいだけれども、話し合われていることの中心は、ここにも登場している樋口泰人が司会をつとめ、青山真治や黒沢清、塩田明彦、安井豊らに、阿部和重を加えて、99年に行われた座談会『ロスト・イン・アメリカ』(00年)にまで、おそらくは遡れる。たとえば『ロスト・イン・アメリカ』のなかで、阿部は、映画『トゥルーマン・ショー』を例に〈あのドームの中には、無数の隠しカメラが設置されていますよね。隠しカメラが撮った映像ってい
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く