本書の著者、市野川容孝のことを私はこれまであまりよく知らず、作品を読んだこともほとんどなかった。それでも、漠然たる知識として、医療社会学という分野の研究者らしいということと、この分野は私自身は通じていないがなかなか面白い分野らしいという程度のことは意識していたので、ある程度気になる存在ではあった。 本書は医療社会学という特定分野の作品ではなく、それともある程度関連してはいるが、ずっと広いテーマを扱っている。体裁としてはソフトカバーの本で、制限枚数超過といっても二〇〇頁強程度の小著だが、そのわりに重厚な書物であり、力作である。もっとも、紙幅の限られた一冊の本にしてはやや欲張りすぎているのではないかという気もしないわけではない。取り上げられているテーマは、現代日本の政治・思想状況、西洋社会思想史、「社会」(あるいはむしろ形容詞としての「社会的」)という用語の概念史、「社会科学」の概念史、社会学
〔連載〕続 アメリカ医療の光と影 第9回 次の犠牲者を出さないために 李 啓充 医師/作家(在ボストン) (2497号よりつづく) 同じ事故を繰り返す日本の無策 前回(2497号)は,医療過誤について,再発防止よりも当事者の処罰を優先することの愚を論じた。その例として,米国では経管栄養を点滴につなぎ間違える事故を何十年も前に根本的解決を加えることで消失させていたのに対し,日本では当事者を刑事罰に問うことで「一件落着」とする再発防止には何の意味も持たない対処を繰り返すだけで,延々と犠牲者を出し続けてきた事実を挙げた。再発防止についての日本の無策ぶりを示すもう1つの医療事故の代表が,塩化カリウムの急速静注事故である。つい最近も,6月に滋賀県で,7月には新潟県で,相次いで死亡者を出したばかりだが,米国では4年も前に有効な事故防止策が採用され,塩化カリウムの急速静注事故は激減しているのである。 米
〔連載〕続 アメリカ医療の光と影 第8回 No-fault compensation system (無責救済制度) 李 啓充 医師/作家(在ボストン) (2494号よりつづく) 社会の幻想,医療者のドグマ 前回(2494号),加藤良夫氏(愛知大学法学部教授)が提唱する「医療被害防止・救済センター」構想を紹介したが,特定の状況で何らかの身体的被害を被った人が損害賠償訴訟を起こさなくても被害の救済を受けることを可能にするという発想は,決して突飛なものではない。 医療以外の分野では,例えば,労働災害の補償,交通事故後の被害の補償に対し,損害賠償請求訴訟以外の救済制度が用意されている。損害賠償請求訴訟では,被害を受けた側が,「誰かの過失および過失と受けた被害との因果関係を立証」しなければ救済を一切受けることができないのだが,労働災害・交通事故については,被害を受けた側にそのような過酷な立証責任を
〔連載〕続 アメリカ医療の光と影 第7回 医療過誤訴訟に代わる制度 李 啓充 医師/作家(在ボストン) (2492号よりつづく) 再発防止に結びつかない医療過誤訴訟 5回にわたって,医療過誤の被害が過誤訴訟によってしか救済されない制度の愚を論じてきた。 医療過誤の被害が損害賠償訴訟を起こすことによってしか救済されない制度の愚の第1は,この制度が医療過誤の再発防止に何ら寄与しないということである。訴訟制度の目的は「なされた害に対する賠償をすべきか否か」を決定することにあり,過誤を巡る事実関係については,いかにして類似の過誤の再発防止をめざすかという観点とは無縁のところで,「過失と因果関係の有無」を巡って原告と被告が争うという観点からのみ議論が行なわれるのである。再発防止のためにどのような改革を医療に加えるかという「前向き」の観点からではなく,賠償責任を誰にどれだけ負わせるかという「後ろ向き」
〔連載〕続 アメリカ医療の光と影 第6回 スーザン・シェリダン 李 啓充 医師/作家(在ボストン) (2489号よりつづく) 2000年9月11日,ワシントンDCで,「医療過誤と患者安全の研究に関する第1回サミット」が開催された。主催したのは,連邦政府における医療過誤防止に関する努力を統合する目的で98年3月に結成された「医療の質に関する省庁横断タスク・フォース」だった。 「消費者」代表の証言 このサミットの冒頭,「消費者」代表として証言したのは,アイダホ州に住むスーザン・シェリダン女史だった。シェリダン女史は医療過誤の被害者家族としての悲痛な体験を縷々と語ったのだった。 シェリダン夫妻の長男カルが生まれたのは1995年3月のことだった。結婚10年後にして初めて授かった子どもだった。一時は子どもはできないものとあきらめていただけに,夫妻にとって,カルはまさに「奇跡の子」だった。しかし,夫妻
〔連載〕続 アメリカ医療の光と影 第5回 Harvard Medical Practice Study (医療過誤と医療過誤訴訟) 李 啓充 医師/作家(在ボストン) (2487号よりつづく) 前回(2487号)はDefensive Medicineが米国の医療に蔓延している実状を紹介したが,Defensive Medicineが横行する理由は,「医療過誤訴訟で訴えられたり,訴訟に負けたりしてはかなわない」という恐怖心が医師や病院にあるからに他ならない。 「訴訟は被害者を救済しているか」という疑問に挑んだ歴史的研究 医師や病院をDefensive Medicineに駆り立てている医療過誤訴訟だが,過誤に遭遇することになった患者の被害を訴訟によって救済するという制度は,被害救済制度としてまともに機能しているのだろうか? この疑問に真正面から取り組んだ歴史的な研究が,いわゆる「Harvard
〔連載〕続 アメリカ医療の光と影 第4回 Defensive Medicine(防衛医療) 李 啓充 医師/作家(在ボストン) (2483号よりつづく) 医療過誤訴訟の恐怖が医療そのものを歪める 米国の医師にとって何が一番イヤかというと,医療過誤で訴えられるほどイヤなことはない。万が一訴えられた時のために医療過誤保険に加入するのだが,その過誤保険に加入できないということになれば,現実問題として診療に携わることはできなくなる。だからこそMalpractice Crisis(医療過誤危機,2483号参照)が医療へのアクセス一般にかかわる深刻な社会・政治問題となり得るのである。 しかし,医療過誤でいつ訴えられるかわからないという恐怖心のもとで医師が診療を行なわざるを得ないことの最大の問題は,誰の目にもそれとわかる社会現象として表に現われるMalpractice Crisisにあるのではない。より
〔連載〕続 アメリカ医療の光と影 第3回 Malpractice Crisis(医療過誤危機) 李 啓充 医師/作家(在ボストン) (2481号よりつづく) 前回(2481号)は,医療過誤訴訟の数が増え賠償金も高額化を続ける状況の下,「過誤保険は商売として成り立たない」と,過誤保険を運営する保険会社が市場から撤退してしまったことが原因となって,ネバダ州で医療危機が起こったことを紹介した。医師や病院が,保険会社の撤退のせいで医療過誤保険にアクセスできなくなったり,保険料の高騰で過誤保険が購入できなくなったりすることを「Malpractice Crisis(医療過誤危機)」というが,ネバダ州ほどではなくても保険料の高騰は全米的な現象であり,1970年代中期(第1次),80年代中期(第2次)に続き,現在,米国の医療界を第3次のMalpractice Crisisが襲っているのではないかと言われて
〔連載〕続 アメリカ医療の光と影 第2回 ラスベガスの医療危機 李 啓充 医師/作家(在ボストン) (2480号よりつづく) ギャンブルの都ラスベガス市を深刻な医療危機が襲っている。廃業したり,診療オフィスを閉じて他州に引越したりする医師が続出し,未曾有の医師不足が到来しているのである。 医師たちが強いられたギャンブル なぜ,医師たちはラスベガスで医療を続けることを諦めて引退したり転出したりしているのだろうか。それは,彼らが「ギャンブル」に大枚の掛け金を払うことを強いられたからである。しかし,医師たちが大枚の掛け金を払うことを強いられたギャンブルとは,カード・ゲームやルーレットではない。そのギャンブルとは,医療過誤保険という名のギャンブルである。 ラスベガスの医療危機のきっかけは,2001年12月にミネソタ州の「セント・ポール・カンパニーズ社(以下,SP社)」が「年間10億ドルの損失を被っ
〔連載〕続 アメリカ医療の光と影 第1回 新ミレニアムの医師憲章-連載再開にあたって 李 啓充 医師/作家 新時代における医師の責務とは何か? 医療を取り巻く経済的・社会的環境が厳しくなっていることは,日本に限ったことではない。本年2月初め,ランセット(359巻520頁)およびアナルズ・オブ・インターナル・メディスン(136巻243頁)両誌に,米国・欧州の内科4学会が共同で作成した「新ミレニアムにおける医療プロフェッショナリズム:医師憲章」という題名の文書が同時掲載された。この憲章は,「医療を取り巻く社会・経済環境がきわめて厳しいという認識の下に,では新時代における医師の責務とは何か」ということを謳い上げた宣言書である。 いわば,「ヒポクラテスの誓い」の新ミレニアム版と言ってよい。この憲章が従前の医師憲章と根本的に違う点は,医療における社会正義を実現するために,医師は積極的な活動をしなけれ
昭和60年8月12日に起きた、日航機墜落事故での自衛隊の活動に付いて、私が反論した「月曜評論」のコピーを貰えないか?、という依頼があった。 コメントにもあったように、既に当事の状況を知らない世代が自衛隊に育っているし、依然として事故原因は「自衛隊の標的がぶっつかった」という“共産党作家”の影響も残っているらしい。驚いたことにコメントには「中性子爆弾説」などもあって、まだまだ国民はこの事故の実情を理解していないことを痛感した。 そこで、当時私が発表した文を、1〜5までに分けてここで再掲載しておきたいと思う。若き現役自衛官達にも、当時の状況を推察してもらいたい。 『いわれなき批判に反論する』 …JAL機墜落事故=航空自衛隊の捜索救難活動について… 防衛庁航空幕僚監部広報室長 一等空佐 佐藤 守 八月十二日夕刻に発生したJAL機墜落事故は、五二〇名もの尊い犠牲者を出す史上最大の航空事故となった
「研究者として、サーチエンジンに限って言えば、(最新の海外研究に)キャッチアップするのは難しいとの危機感を持っている」──。 国立情報学研究所(NII)は3月6日、ヤフーのQ&Aサービス「Yahoo!知恵袋」の研究利用に関する発表会の席で、NII教授で工学博士の大山敬三氏は、新たな研究展開の根底にある理由について、このように述べた。 NIIとヤフーはこのほど、Yahoo!知恵袋に関する研究利用契約を締結。2007年4月からNIIなどの研究コミュニティへ同データを無償提供する。情報検索や情報分析などの研究者に対し、Q&Aサービスのデータ活用を支援する目的だ。 背景にあるのは、海外と比べて国内の情報学研究が遅れているとの危機感。海外ではGoogleなどの企業が大学や研究機関にデータ提供を行い、「非常に高度な研究論文が書かれている」(大山氏)。その一方で、日本語特有の言語解析における研究や「Q&
Intelは米国時間3月5日、Advanced Micro Devices(AMD)が同社に対して起こした反トラスト訴訟に関係する書類の一部を紛失したことを明らかにした。AMDは、Intelの発表を即座に批判した。 Intelによると、同社は2005年6月にAMDに提訴された後にドキュメント保存システムを導入したが、人為的ミスにより、複数の文書(主に電子メール)が同システムから紛失したという。AMDは、Intelが特定の顧客がAMD製チップを使用するのを阻止するために一部の顧客を選んでリベートを提供したと訴えた。 Intelは、この訴訟を担当する米地方裁判所判事のJoseph Farnan氏に宛てた書簡の中で、「Intelはこの(関係書類の紛失)問題を大変真摯に受け止めている。このような事態になり誠に遺憾だ」と述べた。IntelとAMDは、今週中に予定されているこの訴訟のスケジュール調整会
ソフトバンクは3月6日、同社の会計処理において信頼を損なう報道がなされたとして、証券アナリストなど関係当事者に対して損害賠償などを求める法的措置を行うと発表した。請求する賠償金の金額など「詳細を今後詰める」(ソフトバンク広報室)としている。 ソフトバンクが問題としている報道は、フランスを本拠地とするカリヨン証券会社東京支店アナリストが2月27日付で執筆したアナリストレポートがベースとなる。 レポートで問題にしているのは「監査法人の変更に伴う当社財務諸表修正の必要性」「連結範囲の変更に伴う負債隠し」など7項目。同社はこれらのほとんどに反論しており、「悪意のある極めて悪質なレポート」と断じている。 これをもとに記事を執筆した英Financial Times Limitedの記者の報道においても、関係当事者に法的措置を行う方針だ。
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勤務医 開業つれづれ日記コメント欄よりで、文字起しされた僻地の産科医様、ポリクリ様御苦労様でした。謹んで引用させて頂きます。 小池晃もうひとつ、国の責任が医療において深刻に問われているのは、医師不足の問題だろうと思われます。この問題取上げたいと思います。全国各地の医師不足は、病院や診療科の閉鎖といった深刻な事態を招いています。住民・患者の命と健康をおびやかしています。過重労働やストレスによって医師や医療スタッフの心身蝕まれて、医療事故の背景にもなっています。 日本医労連がまとめた実態調査の中間報告によれば、勤務医の9割以上が当直勤務を伴う連続32時間の勤務。月3回。更に3割近くは月に一度も休日を取れない。過酷な勤務状態にあるといわれています。この報告では医師自体が過労死する状態にあるとまとめている。わたくしは日本の勤務医というのは極めて過酷な勤務状態におかれていると思われますが、総理の認識
記者クラブ室内のブースエリア。この広大なスペースは我々の貴重な税金で作られたスペース。なぜか特定の民間企業が、ずっと対価を支払わずに占拠して使用している。利用に際し、何一つとして文書化されたものはない エゴ丸出しの勝手なルールを押し付ける、新聞・テレビ・通信社による利権団体「記者クラブ」。記事もろくに書かないくせに対価を払わず国有財産を占拠し、まじめに報道しようとする国内外のフリージャーナリストらを、法的根拠もなく会見場から排除する民主主義の敵だ。このほど、司法記者クラブの実態を週刊誌に書いたところ、「出入り禁止だ」と記者と週刊誌編集部を脅してきた。いったい、何様のつもりなのか。ジャーナリストは、このような不当な圧力に絶対に屈してはいけない。 私は事前に、「週刊ポスト」側から、「普段のMyNewsJapan並みの論調だとクレームが怖い」との意向を受けていたため、セーブして書いた穏やかな原稿
ドワンゴは、ゲーム「新・豪血寺一族 -煩悩解放-」のBGM「レッツゴー!陰陽師」の着うた独占配信を開始した。着うたフルやムービーも順次配信する予定であるほか、「ときめきオーバークロック」「貧乏人間カネナイジャー」など同ゲームのBGM各曲も配信予定としている。 「レッツゴー!陰陽師」は、もともと2006年5月に発売された同ゲームに"オマケ"的位置づけで収録されたプロモーションビデオ(PV)。それがYouTube経由で「ニコニコ動画(β)」に掲載され、サービスが終了するまでの約1カ月半の間に総再生回数200万回以上を記録した経緯を持つ。6日早朝に開始された「ニコニコ動画(γ)」サービスでもすでに61,000回(7日18時時点。複数あるスレッドのうち最も多いもの)を越えており、しばらくブームは続きそうだ。 「レッツゴー!陰陽師」 矢部野彦麿&琴姫 with 坊主ダンサーズが歌って踊る衝撃的なP
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『論座 1月号』の赤木智弘さんのテキスト『現代の貧困』を巡ってネットで色々取り上げられ、ワタリさんの真情のこもったスレから、「ためにする議論」など様々な言説が飛び交っていますね。僕は大雑把なオヤジなので些末なところで、ほじくり返す「再帰的な応酬」は軟化した脳ではついてゆけません。だからと言って「再帰性」のやりとりを否定するわけではない。むしろ積極的にやって欲しい。ただ、些末を基盤としたものではなく、「問いを共有」出来るものであって欲しいということです。その問いの今の段階で見えることは「生き辛さ」に関することだと思う。 僕は過去ログ藤原新也の『黄泉の犬』をめぐっての赤木さんのコメントで《藤原さんの怒りと赤木さんの怒りは攻撃の先が同じ方向性でありながら、急に赤木さんは別の道を指し示す。藤原さんの道は理解できる。でも赤木さんの道はわからないと言うのが本音です。》このように書いたのですが、《そりゃ
赤木智弘さんの論文への応答も特集されていたが、話が噛み合ってない。森達也さんがいささかムキになって反論しているのが、何だかおかしい。月収10万円あれば、東京都内で30代独身男が生活できると言うのは本当だろうか。 http://d.hatena.ne.jp/eirene/20070307/p1 赤木氏の『「丸山眞男」をひっぱたきたい』という意思表示は、明確な「悪意の表明」である。そして「戦争」という手法の導入は、その「切実さ」を表す為のロジックに過ぎない。 だからこそ、それに対する「応答」は、「戦争の本質」や「論旨の稚拙さ」ではなく、まずその「悪意」に対する応答でなければならなかったのだ。 しかし愚かなことに、その「応答」に立った人々は、その本意も切実さも理解せず、「悪意」の対象が自分であることも認識しないまま、ただただ常識論を返すだけである。 http://d.hatena.ne.jp/i
浜崎あゆみは進化している。 先日、何かの宣伝の大きなポスターを見かけた瞬間にそう思った。 前から、あまりに左右対称な顔の造作や、目の大きさのバランス、傷も曇りもない肌など、整形ではないのだけど、現世人類を超越したような美しさは、一体どうしてなのかと気になっていたら、やっぱりどうもバーチャルに作られているらしい。 浜崎あゆみ本人の意志か、浜崎あゆみというアイコンを利用したい集団の企みか、その両方が同じベクトルを向いているのかもしれないが、浜崎あゆみというキャラクターに理想の美を感じる大衆まで巻き込んで、どんどん進化しつつある。 「キリンの首は何故長い?」ということに対する答えとして、高い木の上の葉を食べるのに適しているから、という説明が為されることがある。 いわゆる「獲得形質の遺伝」とされる例なのだが(ちなみに、ラマルクの言った「獲得形質の遺伝」は、これとは実は異なるのだがここでは割愛)、先
朝も9時からCRESTの領域報告会でした。 自分の発表は11時からだったので、少し早起きして臨みました。 研究成果はちょうど面白い展開になっている時期でもあり、領域アドバイザーの先生を含め、好意的なコメントを頂けてほっとしました。 さて、東大の酒井邦嘉さんの「言語の脳機能に基づく獲得メカニズムの解明」の発表で、今回はphonicsに関係する脳の領域はどこか?というイメージングのデータを示されていました。 Phonicsというのは「英語の綴り字と発音との関係を教える教授法」です。 つまり、likeの[i]は[ai]と発音する(他にもMikeとかkiteとか、後に子音とeなど母音が付く場合)などのルールということですね。 で、Phonicsを知らない被検者を対象に、いくつかのルールをtrainingし、その後、さらにいくつかのtaskを行って、もちろん、コントロールをいくつか入れて脳活動(正確
http://www.zakzak.co.jp/top/2007_03/t2007030734.html 捜査車両、捜査員の官舎や自家用車まで撮影してデータベース化―。指定暴力団山口組の警察に対する情報収集が活発化している。 こうした情報収集は、もともと篠田受刑者の出身母体である弘道会が以前から続けており、警察当局は、篠田受刑者が組長になって以降、山口組全体に拡大し徹底されつつあるとみている。 弘道会と言えば名古屋ですが、今から十数年前に名古屋地検で勤務した当時、上記のような話は既に耳にしたことがありましたね。 マフィアからの攻撃を避け、要塞のような家に住むイタリアの検事の話を本で読んだことがありますが、日本も、次第にそういった方向へと進むのかもしれません。
■[司法]付帯私訴 申立て手数料は一律2000円へ http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070307-00000052-mai-pol http://megalodon.jp/?url=http://headlines.yahoo.co.jp/hl%3fa%3d20070307-00000052-mai-pol&date=20070308084804 ■[司法]車両保険における「偶然性」の主張立証責任絡みの地裁判決 さいたま地判平成19年1月17日 http://kanz.jp/hanrei/detail.html?cat=11&idx=1502 http://kanz.jp/hanrei/data/html/200701/20070307153346.html 車両保険請求において,原告は,保険事故が「偶然(=自己の意に基づかずに)起きたこと」の
羊水塞栓症で死亡した妊婦の遺族が「医療ミス」で提訴 メディアは「羊水塞栓症」を理解せずにミスリード 産科に病死は認められないのか メディアの今後の報道姿勢によっては、産科崩壊が一気に進むかも知れないニュースが、昨日、一部地域で報道された。問題は メディアが、何がいけないのかを切り分けないで、一方的な取材結果のみで報道を始めた 点にある。医学的な問題を報道するなら、少なくとも 死因になった病気が、どれだけまれでどれだけ致命的なのか を理解した上で、報道してほしい。 日本の産婦死亡率は、世界的に見て極めて低いが、不幸にして亡くなる産婦さんはいる。遺族がその割り切れない感情を訴訟という形で問うのは、しょうがない。 とはいえ、 メディア側がなんの検証もせず、ミスリードする形で報道する のでは、話にならない。そのあたりの 報道の暴走 に近いものが、昨日の読売新聞に載った。(webでは確認してない)
3月6日付 長崎新聞より 遺族が賠償求め提訴 奈良尾病院で「除細動遅れ死亡」 二〇〇五年二月、新上五島町の県離島医療圏組合奈良尾病院に入院していた女性=当時(70)=が心室細動で死亡したのは除細動の遅れなど病院側の過失が原因として、遺族ら九人が五日までに、同組合に損害賠償約四千二百万円の支払いを求める訴訟を長崎地裁に起こした。第一回口頭弁論は四月十七日。 訴えによると、女性は同年二月十二日、体調を崩し血圧が高いことから同病院に入院。十四日午前六時半ころ、病院内のトイレで倒れているのを入院患者が発見した。駆け付けた看護師の呼び掛けに「はい」と答えたが、同三十四分に心室細動の波形が確認された。 医師らは心臓マッサージをした後、同四十三分に電気的除細動器でショックを与え、除細動に一回成功。しかし、心臓の収縮力が次第に衰え、同七時五十分に死亡した。死因は慢性心不全による心室細動だった。 原告側は「
アメリカの哲学者セラーズは知覚の構造と言語の構造との違いを強調する。言語の構造と知覚の構造とが同じであるとするのは、論理実証主義などに代表される古典的な説である。ウィトゲンシュタインが「哲学探究」の最初でアウグスティヌスを引用しながら批判している名づけ説、つまり個物があってそれに名前を付けると言う考え方、はそこから導かれる。セラーズがそれを批判しているのは確かだ。そこでセラーズ本人は知覚に関する現象学的な理論の必要性を訴えている。しかし、セラーズ論文に序文を寄せているローティ(およびローティに言及されているブランダム)はそれを否定しており、その結果として採用する説が言語ゲーム一元論であり、その点でローティは相対主義だと非難されることもある。だからといって、主流の進化心理学者みたいに極端な普遍主義(生得主義)に走るのもあまりに真反対すぎて納得いかない。セラーズが示唆したのは別の道ではないのか
【購入数】★★★ 内容(「BOOK」データベースより) 非行を対人関係における暴力という枠組みでとらえ、非行臨床の現場における実践と、米国における新たな非行理論による理解とを武器に、今、非行少年に社会としてどう働きかけるかを模索した書。 内容(「MARC」データベースより) 少年鑑別所や少年院で20年間、非行少年たちの移り変わりをみながら、少年非行とその背後の社会がどう変化したか、彼らの非行行動を変化させるためにどう働きかけるか、問題提起する。 目次 第1章 非行少年のタイプ 第2章 性犯罪少年はモンスターか 第3章 薬物乱用の快感と泥沼 第4章 少女売春の不易と流行 第5章 少年と暴力 第6章 少年非行における人格要因とリスクアセスメント 第7章 非行少年における被害体験と加害行動 第8章 何が非行少年を作り出すのか 第9章 犯罪行動を変化させるには―おわりに代えて 村瀬嘉代子先生のかつ
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日本の高校生や大学生に、「なぜ人々を平等にしようとした社会主義は結局失敗してしまったのか」という問いを行うと、おそらく圧倒的に多い回答が次のものだろう。「社会主義では、お金が平等に分けられるので、人々は努力をしなくなった。だからみんな怠けてダメになった」この見解は、日本では通俗化されたもので、「だから競争の中で努力しなければいけないんだ」という日本人の勤勉な意識が透けて見える。 同じ質問をヨーロッパ人にすれば、どう回答するだろうか。 私は留学中に「ソ連などの社会主義国が失敗した原因は何か」という問いをヨーロッパ人に対して3回ほど行ったが、各人に差はあれど、「失敗した社会主義国」の代表格であるソ連が結局は独裁の横行する危険な国家になってしまったことに言及した。結局は、社会主義はスターリンの粛清を生み出してしまった。それは社会主義者の一部が(もしくは社会主義者の多く)が暴力的で革命や暴動を好む
1. 2月21日、日銀は政策金利を0.25%引上げ0.5%とする決定を行った。前回1月の政策決定会合では見送りその後発表された経済指標も強弱入り混じってとても政策変更を後押しするほどのものではなかったことから、今回金利引き上げを強行したのは正直驚きであった。 この決定は、微妙な時期にある日本経済に深刻な悪影響を与える恐れがある。7月の参議院選挙の頃にそのことがはっきり現れてくるのではないかと心配される。日銀は、日本経済と安倍政権を潰そうとしているのだろうか? 以下その懸念について申し述べてみたい。 2. 私が景気見通しで一番信頼しているのは嶋中雄二さん(三菱UFJリサーチ&コンサルティング投資調査部長)であるが、彼によると「日本経済はすでに後退局面の可能性がある。」というのである。嶋中さんの議論を簡単にまとめると以下のようになる。 「景気の山や谷は景気動向指数(DI)の一致指数から作
以下はThe Wall Street Journal Asia, March 1, 2007, page A13に掲載された、Anil K Kashyapシカゴ大学教授による"Money Mess"の全文訳です。訳そのものは3/2に完成していたのですが、Kashyap教授及びWSJより正式に許可を得るのに時間がかかったため、本日の掲載となりました。原文はこちら(WSJ.com、有料)またはこちら(Kashyap教授のサイト)にて参照できます。 訳文の掲載を快く許可してくれたKashyap教授及びWSJ Asia Editorial Page Office ManagerのShandi Chauさんに感謝します(Professor Kashyap and Ms Shandi Chau, thank you very much for kindly giving me the permissi
以下はThe Wall Street Journal Asia, March 1, 2007, page A13に掲載された、Anil K Kashyapシカゴ大学教授による"Money Mess"の全文訳です。訳そのものは3/2に完成していたのですが、Kashyap教授及びWSJより正式に許可を得るのに時間がかかったため、本日の掲載となりました。原文はこちら(WSJ.com、有料)またはこちら(Kashyap教授のサイト)にて参照できます。 訳文の掲載を快く許可してくれたKashyap教授及びWSJ Asia Editorial Page Office ManagerのShandi Chauさんに感謝します(Professor Kashyap and Ms Shandi Chau, thank you very much for kindly giving me the permissi
広義の狭義のと、安倍がこの問題についてロクに知らないのがよくわかる。手元に資料がないので大雑把になるが、従軍慰安婦問題の何が問題なのか、簡単に整理してみる。 第一に、軍の行く先々に慰安所を開設することは日本軍が立案して業者を手配している、つまり、日本軍が完全にイニシアティブをとっているという点がある。日本軍にとって慰安婦は軍需物資であり、慰安所は兵站の一部だった。業者が軍の需要を見込んで慰安所開設を持ちかけた、という形のものではない。 第二に、業者が慰安婦を徴用する際に、「兵隊の食事の煮炊きなどのお手伝いの仕事がある」などの嘘による勧誘、前借金や暴力的威圧などによる強要といった手段が多く用いられた点がある。多くの証言から、兵隊や官憲が直接行ったというケース(狭義の強制)は報告されておらず、軍の依頼を受けた業者が行った(広義の強制)のが一般的だった、ということになっている。ただ、いずれにせよ
まずは,韓非子の二柄第七*1 明主之所導制其臣者、二柄而已矣。 二柄者刑徳也、何謂刑徳、曰殺戮之謂刑、慶賞之謂徳。 為人臣者、畏誅罰而利慶賞。 故人主、自用其刑徳、則群臣畏其威、而帰其利矣。 故世之姦臣則不然、所悪、則能得之其主、而罪之、所愛、則能得之其主、而賞之。 今人主、非使賞罰之威利出於己也、聴其臣行其賞罰、則一国之人、皆畏其臣而易其君、帰其臣而去其君矣。 名君は臣下を統制するために二本の柄を用いる.その二つの柄とは刑と徳である.刑と徳とはなにか.刑とは罰則であり,徳とは報賞である.臣下は罰を恐れ,報賞を喜ぶ.したがって,人の上に立つものは自ら刑と徳を用い,それによって群臣は権威を恐れ,従うのである.世の姦臣は,(君主から刑罰の権能を盗んで)自分の嫌いな者を罰し,好きな者を賞そうとする.君主が自分自身で刑徳を行使せず,臣下に聞く(その権力を与える)ならば,国中の人はその重臣を恐れ,君
2016年04月(1) 2015年08月(1) 2015年07月(1) 2015年03月(1) 2014年09月(1) 2014年07月(5) 2014年06月(1) 2014年04月(1) 2014年01月(3) 2013年12月(1) 2013年11月(1) 2013年10月(4) 2013年08月(3) 2013年07月(4) 2013年06月(1) 2013年05月(3) 2013年04月(3) 2013年03月(3) 2013年02月(7) 2013年01月(6) 2012年12月(9) 2012年11月(10) 2012年10月(8) 2012年09月(4) 2012年08月(4) 2012年07月(8) 2012年06月(8) 2012年05月(8) 2012年04月(6) 2012年03月(3) 2012年02月(4) 2012年01月(7) 2011年12月(17) 20
Googleでは著作権法が発案者に与える保護範囲を狭く見ており、これが数年の間に出版社、報道機関、写真家をはじめとする多くの敵を作ってきたことは有名だ。 そこに今度は、ビジネスソフトウェアなどの各分野で一段と激しくGoogleと競合するようになったMicrosoftが加わってきた。 Microsoftの法律顧問補佐Thomas Rubin氏は米国時間3月6日、出版関係者を前に講演し、Googleは「組織的に著作権法に違反している」と語った。Rubin氏は、Google Book SearchやYouTubeを名指しで批判し、これらのサービスは「著作権を軽視している」と指摘した。 同氏が講演したのは米国出版者協会(AAP)の年次ミーティング。同協会は、Googleが著作権法で保護された書籍をスキャンし、これを配信することで著作権法に違反したと主張し、2005年10月にGoogleを提訴してい
ネット上ではJASRACを「悪の魔王」かのごとくネガティブに評価する見解が一定の支持を集めているようですが、おそらくそれは的を射ていないのでしょう。管理著作物を無料で利用している人や企業を見つけてはそれらの者から使用料ないし賠償金を徴収するのは彼らの本来的業務の一つだし、そこではでくるだけ広範囲にできるだけ高額の使用料等を徴収することが求められているからです。また、既存のコンテンツをネットで利用する際にむしろ障壁となるのは、JASRACではなく、レコード会社やテレビ局などの隣接権者であるというのがネットビジネスを弁護士としてサポートしてきた私の正直な感想です。 また、裁判に関していえば、音楽著作物の利用に間接的に関与するに過ぎない者に対して訴訟や仮処分を申し立てるJASRACが悪いというよりは、そのような訴訟等が提起された場合に、既存の法理論や裁判例を乗り越えてこれを認容してしまう裁判所に
製作者:指宿信 (成城大学法学部教授) 本ブロッグの記述を無断で転載 することを禁じます。 Makoto Ibusuki©2012 指宿 信 著 被疑者取調べ録画制度の最前線 可視化をめぐる法と諸科学 発行: 2016年6月30日 価格(税抜): 4,500円 法律文化社 ISBN: 978-4-589-03774-9 指宿 信 監修 リーガル・リサーチ〔第5版〕 発行: 2016年3月 価格(税抜): 1,800円 日本評論社 ISBN: 978-4-535-52162-9 指宿 信 監訳 アメリカ捜査法 発行: 2014年5月20日 価格(税抜): 13,000円 ISBN:978-4-902625-94-3 ジェニファー・トンプソン-カニーノ,ロナルド・コットン,エリン・トーニオ 指宿 信 ・ 岩川直子訳 とらわれた二人 無実の囚人と誤った目撃証人の物語 発行: 2013年12月
円高、株安がとまらない。今回のマーケットの波乱がアジア(インド、中国)あたりの暴落が引き金になったことは疑いないが、根底には米国経済の変調の兆しがある。変調といってもこれまで調子よすぎた(ゴルディロックス)経済が修正局面にあるだけ、という見方もあるが、世の中の人があまり観ていないところに出ている数字がやや不安を駆り立てる。 ひとつは先日のエントリーで紹介した資本の流れである。大借金国の米国にとっては資本の流入がとまることはそのまま消費や投資活動の停滞をもたらす。さらに米国は偉大な「投資製造装置」であることを忘れてはならない。つまり国債の買いあれなんであれ流入した資本はさまざまなルートを通じて金融機関に集められ、それが「先進的な手法」(こういう表現は昔某経済新聞がよく日米の金融機関の技量を比較するのに使ったせりふでした)によって投資に変わっていく。今の成長分野といえばBRICsとか途上国とか
きのう格付け会社についてエントリーを書いてあまりにもタイミングがよすぎるので苦笑してしまったのですが、この記事は一言で言えばムーディーズが格付けの枠組みを見直すことで基本的に多くの銀行が相当な勢いで格上げになってしまうという、とても「お」めでたい話。じつは昨日のエントリーを書いてからJPモルガンのレポートを読んで、同じ話が載っていたので(日経金融もこれに触発されたのかな)しつこいけれど書こうと思っていたところでした。 今回の格付け基準見直しは、JDA(ジョイントデフォルト分析)と呼ばれる手法に基づくものだそうで、一言で言えば銀行の発行体債務格付け(財務格付けとはまた別)に、親会社、協同あるいは相互組織、地方や州政府、国といった段階で「サポート」の要素を思い切り加味しようというものです。結果的に最上位の国の支援体制がきわめて重要(そりゃまあ決済システムにかかわるのだから国が支援するのは当然と
昨日の日経新聞のニュースにバイラルアドの参入とニフティが運営するブログの関連の話があり、え?それってマジっすか、ニフティが運営するブログってここの、ココログだよね、とちょっと引いた。詳細がわからないまま、ぼけっと一日が過ぎてもなんとなく気になるのでメモ書き程度だけど書いておこう。 まず、バイラルアドって何よ?だが、この手の用語ならたいていはある、はてなキーワードにもなさげ。ぐぐっても「インターネットが持つ伝達スピードを利用して企業の商品やサービスに関する広告を消費者による口コミで広がることを目的としたマーケティング手法」と、なんですかぁ?みたいなものしか出てこない。 これって、まずもって、viral advertising の略でしょと推測するのだがなぜか解説がなさげに見えるのは、直訳して「ウイルス広告」とされるのがまじーと思われているからだろうか。でも、これはウイルス広告である。ウイルス
平成19年2月28日 財団法人中東調査会・特別講演会 (英語版はこちら) (アラビア語版はこちら) 本日はお招きを下さり、有難う存じます。 中東調査会は、保守合同で自由民主党ができたのとほぼ同じ頃、生まれたのだと伺いました。今の服部(禮次郎)さんに至るまで、歴代会長にはそうそうたる方 が名を連ねておいでです。経済界が寄せる期待には、さぞ大きいものがあったのだろうと思います。 本日は、今後中東政策を進めるうえで、わたくしなりに、指針となると思うところを述べるつもりで参りました。 ●「自由と繁栄の弧」について 今から3カ月前のことですが、「自由と繁栄の弧をつくる」と題しまして、我が国外交の新方針についてお話を致しました。 地理的には、ユーラシア大陸の外縁に沿って弧をなす一帯を、考え方としては、自由や人権、民主主義や法の支配といった普遍的価値を、われわれ日本人自身、苦労して我が物とした経験を踏ま
昨日アスペルガー障害について触れましたが、この語で思い出すのがmakaronisan@たまごまごごはんさんの■[科学][社会]〜空気を読むことと、人の個性〜アスペルガー症候群についてしらべてみた という1月の記事です。これが最初にアスペルガーに関心を持たせてくださったというところも(実は)あります。 そしてこの記事での話題の取り上げ方が「空気を読む」ということに関わっていまして、どうしてもこの問題を思い出すとき私の方でも「空気を読む」とか「読まない」「読めない」ということが一緒に頭に浮かんでくるのです。そこらへんについて少し… 私自身、誰彼を「空気の読めない人」だなと思ってしまったことはあります(これからもあるでしょう)。そういう時の「空気の読めない人」というのは「自分勝手な人」という語に置き換えられるものだったと考えています。批難する側からすれば、そのクレームのポイントは自分勝手とか利己
判決の趣旨は、「管理職の地位にあった原告が、職場の費用で設けられた酒席で、上司に対して暴言。それを理由に降格処分とされたことは適法」というもの。1月19日に札幌高裁(末永進裁判長)で出された。 判決文などによると“荒れた”宴会が開かれたのは、2004年7月と8月。 当時、職場の総務部長だった原告は、7月の酒席の2次会で酒の勢いもあって、仕事に対して自分とは異なる意見を持っていた上司に対して暴言。 「今までのような発言をしていたら、後ろから石をぶつけられるぞ。お前の後継者の立場や家族の将来もないようにするぞ。死んでも葬式に出る職員は一人もいないぞ」と発言した。 翌月の酒席では、別の上司にも「お前は辞めろ」などと発言し、十数分間にわたって激しい口論となった。 そのため、12月に出された人事で、「管理職としてふさわしくない」と、4階級の降格処分となり「総務部長」から「係長」になった。 http:
昨日の戦車編に続き、「反戦軍事学」の42ページから始まる小銃に関する話を考察していきます。筆者の林信吾氏はまず自衛隊で使われている89式小銃の批判を行っているのですが、その内容の殆どが間違っており、合っているのは値段くらいのもの・・・という有様でした。(勿論、値段の話はとても重要な項目ですが) 『この銃は、引き金を引くごとに一発ずつ発射するセミ・オート、さらに、三発ずつ発射する三点バースト、そして連続して撃ちまくれるフル・オートと、三段階の発射機構を備えている。 三点バーストは、たしかに動く標的を狙う際に有効ではあるが、こういう凝った設計をすると、機構が複雑になり、部品数が増え、故障する確率が高くなる。戦場という過酷な環境で使用することを考えると、故障しやすい=信頼性が低いというのは、致命的な欠陥であると言っても過言ではない』 p42 バースト機構の利点はフルオートに比しての弾薬消費量抑制
うまくいかない日に仕込むラペ 「あぁ、今日のわたしダメダメだ…」 そういう日は何かで取り返したくなる。長々と夜更かしして本を読んだり、刺繍をしたり…日中の自分のミスを取り戻すが如く、意味のあることをしたくなるのです。 うまくいかなかった日のわたしの最近のリベンジ方法。美味しいラペを…
朝、初台へ、戻って昼、スコーン一個、午後イチに技術系の方が来社して、いろいろ話を伺う。こちらが素人っぽい質問を投げると、うーん、と数秒間悩ましい顔をして、それでもわかりやすく最適解を説明してくれる。互いに情報制約下であることが暗黙の前提のやりとり(って早い話、化かし合いのことだけど)にここのところ慣れっこだったので、ちょっと新鮮。夜、黒門でつけ麺。それから大増床した新宿ジュンク堂(池袋店を越えたらしい)で、大増床したっていってるのに、まったく普通に柴崎友香『ショートカット』を購入。読みながら帰宅。ドアを開けると出迎えてくれる多肉植物の元気がよい。つやつやした多肉植物の葉を指先でそうっと撫でていると、小動物の手というか、その葉が赤やグリーンの肉球に見えてきてなんだか癒される。ミシェル・ウエルベック『ある島の可能性』を読む。きわどいネタで人気を博すコメディアン、ダニエルの「人生記」と、現代から
もうRFKについて書かないはずだったのですが、いくつか本を読み返して、ちょっと記憶がごっちゃになっていたところがあったので、ちょっぴり訂正をば。 ボビーをセレブで選挙に出た云々…と書いていたのは、In His Own Rightではなく、Robert F. Kennedyでした。 ニューフィールドを読み返していると、ボビー自身が10代のとき、3年間神父になることを考えていたとありました。彼のナニーだけが思っていたわけではないのですね。 (3月8日追記)あと、3月3日のエントリーに、RFKが司法長官をやめた後、黒人のリーダーたちに厳しい言葉を浴びせられて云々ということを書きましたが、“Robert F Kennedy”を再読していたら、この出来事は、彼がまだ司法長官だったときの1963年に起こってました。RFKは黒人に関してあまりに急激に変化させるのはよくない、バランスをとって少しずつ、しか
Emmausさんがコメント欄で書いてくださったことについて、一言。本当はコメント欄に延々と書いたのですが、なぜかアップしようとしたとき、書いたものがすべて消えてしまいました(泣)。 RFKについては力が入ってしまって、ちょっと恥ずかしいのですが、えーい、ファンならファンで、その道を突き進めってな感じで、また書いてしまいます。 コメントで書かれてあるとおり、私も、RFKは自己変容を受容する能力において、稀有な人だったのだと思っています。 チャベスもボビーの「成長する能力、体験によって変えられる力」について語っていますし、キング牧師も自分が一番ボビーについて印象づけられたのは、彼の「学ぶ能力、成長する力、与えられた状況における創造力」だったと述べたそうです。 『RFK』を書いたジャーナリストのニューフィールドは「ケネディをユニークな存在にしたのは、彼が白人男女の労働者層に対して、黒人、ラティー
仕事が押しているんだからこんなことしてる場合じゃないと、分っているのですが、せっかくの機会(?)なのでもう少しロバート・F・ケネディについて書きます。(本当に、勝手に独り言状態やね。) たぶん私が彼に思い入れ深いのは、アメリカで精神分析に通っていて自分自身が一番変化しようとしていた時にボビーと「出会った」からだと思います。 というのは、ボビーについて私が最も感銘を受けたのは、彼には突出した「成長する能力」があったという点だったから。 人間、誰でも成長するわけですが、彼には体験を通じて劇的なまでに成長していく力があった。 JFKが暗殺されなければ、ロバートは映画『13デイズ』に出てくるような、無慈悲と囁かれる、有能だけど他の政治家とそんなに違わない普通の政治家で終わっていた可能性があります。 JFKが死ぬまで、RFKの役割は偉大な兄を支える弟、要は裏方で、彼はそれ以上の役割を自分が果たすとは
昨夜、仕事を少し早く切り上げて、観に行ってきました、『ボビー』。 個人的には、大画面でRFKの姿を見られて、たっぷり彼の声が聞けたから、もうそれだけで大満足で、☆5つ!という気分ですが、世間的には結構評価、厳しいみたいですね^^;。少なくとも、チェックして回ったアメリカのレビューは、かなり点が辛い。チェッ。 いいんだもん。私はRFKの実写フィルムが大画面で見られれば。 いや、映画としても、結構出来はよかったと思いますよ。(ボビーの姿に目をくらまされているので、私の評価はあてにならないケド。)私好みでした。 特にメキシコ人のホセの話は気に入っています。 それと、チェコからやってきた記者の話も好きだな。 1968年は「プラハの春」だったんですね。 映画を観るまで時代的なつながりについて全く考えが及びませんでしたが。 RFKが殺されて二ヵ月後にはもう、チェコ事件だもんなあ…。それを思うと、なおさ
↓以下の二回の続きです。 http://d.hatena.ne.jp/voleurknkn/20070227#p1 http://d.hatena.ne.jp/voleurknkn/20070301#p1 ● 現在地 全体のイントロダクション 第一部 人間の発明 イントロダクション 第一章 技術的進化の諸理論 第二章 テクノロジーと人類学 ← いまここ 第三章 《誰?》《何?》人間の発明 第二部 エピメテウスの過ち イントロダクション 第一章 プロメテウスの肝臓 第二章 すでにそこに 第三章 《何》の救出 ● 第一部第二章 テクノロジーと人類学 シモンドンは「具体化」のプロセスを通して次第に自律性を高めながら技術は発展していくとしながらも、同時に技術が機能するためには人間の先取り能力を必要とする、とも述べた。とするならばそこには人間と技術との決して解消されえない紐帯が存在するかのように見え
深夜のシマネコBlog: 凄いというか なんというか 「丸山眞男をひっぱたきたい」…: 雪斎の随想録 受け皿がないと、なぜ行動できないのだろう - 風の旅人 編集便り 〜放浪のすすめ〜 「『丸山眞男』をひっぱたきたい」への応答 -論座2007年4月号- - 御託専科 http://blog.yomone.jp/kayano/2007/03/post_98c7.html 「論座」4月号の『「丸山眞男」をひっぱたきたいへの応答』にはかなりの衝撃を受けた。書店で読みながら思わず「うわぁ・・・」といううめき声をあげてしまったほどだ。その「応答」があまりに的外れかつ真摯さを欠いたものだったからだ。 元となる「論座」1月号に掲載された『「丸山眞男」をひっぱたきたい』に関してはこちらを参照して欲しい。 さて、今回の「応答」に関する感想なのだが、端的に言って、 赤木氏を引っ張り出してきた論座のことだ、主要
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