『忘れられた日本人』で知られる民俗学者・宮本常一とは何者だったのか。その民俗学の底流にある「思想」とは? 「宮本の民俗学は、私たちの生活が『大きな歴史』に絡みとられようとしている現在、見直されるべき重要な仕事」だという民俗学者の畑中章宏氏による『今を生きる思想 宮本常一 歴史は庶民がつくる』4刷重版決定、話題となっている。 「小さな歴史」の束から見えるもの 日本全国を歩き、人びとの話を聞いた宮本常一。聞き集めた「小さな歴史」の束から見えてくるものとは——。 〈宮本は日本列島をすみずみまで歩き、多くの人びとから夥しい数の話を聞いた。民俗学はもちろん、人類学や社会学でもフィールドワークは調査研究の重要な手法だが、宮本のそれはほかの調査者たちとどのように違うのか。宮本は自身のフィールドワークをふまえてこんなふうに記している(「あるいて来た道」『民俗学への道』著作集版より要約)。 さまざまな差が見
![日本人がじつは知らない…「知の巨人」は見ていた、東日本と西日本の「決定的な違い」(現代新書編集部)](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/3dac420be974be8fe775748e0f75fd387761cca7/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fgendai-m.ismcdn.jp%2Fmwimgs%2F8%2F2%2F1200m%2Fimg_82b9178da7b07471b5dcbb93a6a90b8395379.jpg)