2017年1月30日、私は2年半の自宅介護の末に、母をグループホームに入居させた。 自宅介護の一部始終は、日経ビジネス電子版(当時は日経ビジネスオンライン)に「介護生活敗戦記」として連載し、『母さん、ごめん。』という本にまとまった。 が、介護は親を施設に預けたらおしまいになるわけではない。その後5年以上が経過したが、今も私の介護生活は続いている。 自宅で面倒を見ているときに比べて、ずっと負荷は減った。なによりも心強いのは、今はグループホームに勤務するプロフェッショナルのスタッフの方々のバックアップを受けることができる、ということだ。 それでも認知症は不可逆に進行し、私は母の変化に振りまわされ続けている。母が元気だった頃の生活は戻らない。そして、「母を預けている」という状態でも、なにもかもがうまくいくわけでもない。 これから書き記していくのは、2017年1月30日から始まった、「自宅介護の、