21世紀の孤独な独裁者は、ついに無辜の民の虐殺にまで手を染めた。国際秩序という盤面を力ずくで引っくり返そうとするこの男に、続く者が現れるかもしれない。再び世界に硝煙が立ち込めるのか。 元外交官で、現在はキヤノングローバル戦略研究所研究主幹の宮家邦彦氏、中東・イスラーム地域研究、国際関係史を研究する山内昌之氏、自衛隊の元統合幕僚長の河野克俊、三人の有識者がこれから起こることを予測した。 彼は敗北を受け入れない 河野克俊(以下河野):日本軍の敗戦理由を分析した名著『失敗の本質』には、戦争に敗れる軍隊の典型的失敗として「目標が不明確」「兵力の逐次投入」「根拠なき楽観主義」が挙げられていますが、ロシア軍はその過ちを全て犯しています。 前線の兵士は「ウクライナ東部のロシア系住民をゼレンスキー政権の虐殺から解放する」と言われてウクライナ入りしたのに、そんな事実はなく、住民からは銃弾が飛んできた。 「ウ