ダイキン工業が銅などの高騰や部品不足にもかかわらず、空調機(エアコン)を増産している。銅より安いアルミニウムなどを原料として増やし、足りない電装品の自社組み立ても始めた。受注の好機を部品不足などで逃さず、省エネルギーや快適性などの高い新製品で世界販売を伸ばしている。製造や調達、開発が迅速に連携して知恵も絞り、経済情勢の激変に合わせた柔軟なモノづくりの体制を築く。(大阪・田井茂) 「2021年度はコロナ禍からの需要回復を着実につかんだ。22年度は過去最高の887万台を目指す」―。ダイキンの森田重樹執行役員空調生産本部長は、前年度比12・4%増となるルームエアコンの世界生産目標数についてこう語る。必要な部品や量の違いから一概に比較できないが、部品不足に苦しむ自動車や空調以外の家電などに比べ、生産の増加幅は大きいとみられる。 原料では熱交換器、配管、モーターに使う銅の使用量を23年度までに20年