![追いつめられた中国経済、2019年の動向を占う](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/0f591d6432eac381f01e240702a30d33aab486f0/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fbusiness.nikkei.com%2Fatcl%2Fopinion%2F15%2F218009%2F122500193%2Ffb.jpg)
台湾統一地方選挙で与党・民進党が大敗、蔡英文総統は党首を辞任した。11月24日撮影(写真:ロイター/アフロ) 台湾の4年に一度の統一地方選挙が行われた。折よく連休も重なったので、現地に行ってきた。結果は与党・民進党の惨敗。総統の蔡英文は責任を取って党主席職を辞任。行政院長の頼清徳、総統府秘書長の陳菊も辞任を表明した(後に残留決定)。私の周囲の台湾人は民進党寄りの人が多く、悔恨と諦観と悔しさの入り混じる様々な声を聞いた。彼らによれば、その最大敗因は蔡英文政権に対する台湾有権者の失望であった、という。だが、同時に中国が今回の選挙については非常に巧妙に台湾世論の分断工作に動いた、とも言っていた。中国は否定するが本当のところどうなのか。チャイナ・ゴシップスと言うタイトルのコラムで台湾ニュースを取り上げることには、批判の声もあろうが、今回はこのウワサの背景と、この台湾選挙結果が与える中台関係および国
ロシア極東ウラジオストクで9月12日に開催された日中首脳会談で、握手を交わす安倍晋三首相(左)と習近平国家主席(写真:新華社/アフロ) 安倍晋三首相が25日から27日にかけて訪中する。習近平政権になってから初の日本首相による公式訪中であり、苛烈な米中貿易戦争で苦戦している中国にとってこの日本首相訪中への期待は並々ならぬものがある。果たしてこの訪中を契機に日中関係はどのように変わるのか。あるいは変わらないのか。訪中直前にこれまでの日中関係の推移と今後の予測について、整理しておこう。 ちょうど私は北京にいて、この数日、体制内学者や民間研究所のアナリストにきたる日本首相7年ぶりの訪中に対する中国側の期待や見立てを聞きまわっていた。彼らの自由な発言空間を守るために、その名は出さないが、それなりに政権の内情に通じ、また政策に影響を与える立場にいる人たちである。彼らは共通して、この訪中が日中関係の新時
10月4日にハドソン・インスティテュートで米副大統領ペンスの演説は、中国に対する「最後通牒」あるいは「宣戦布告」、「新冷戦の火ぶたを切った」といった形容詞で報じられ、世界に衝撃を与えた。全文もネット上で出ているので熟読した人も多かろう。この演説を読む限り、米国は本気で中国を叩き潰そうとしている、と理解すべきだろう。ペンス個人の考えではなく、現トランプ政権、共和党政権の総意ということだ。この演説の中身がさほど突飛なものでないことは、拙コラム欄を読んできた読者諸氏にはわかってもらえるだろう。 ペンス演説の中身と論評は、すでに各メディアで詳細に取り上げられているので、ここで改めて紹介することはしないが、以下のくだりは多くの人がより詳細を知りたいテーマではないだろうか。「中国が2018年の中間選挙および2020年の大統領選挙に干渉をしようと、対米世論工作を始めている」という部分だ。本当に中国は米国
10月18日から開かれる第19回党大会に出席する党代表名簿が出そろった。特に話題になったのは解放軍・武装警察選出の303人の代表名簿だ。前海軍司令の呉勝利が失脚と一時報道されたが、その呉勝利は名簿に名前が残っていた。前空軍司令の馬暁天も動静不明ではあるが、名簿に名前が残っており、どうやらこの二人の政治生命はつながっているもようだ。その一方で、聯合総参謀部総参謀長の房峰輝、政治工作部主任の張陽という胡錦涛の信任が高い二人の現役上将の名前がなかった。また、毛沢東の孫の毛新宇はじめ、解放軍内の紅二代・太子党がごっそりと落選していた。党大会前、軍内では、激しい人事更迭の嵐が吹き荒れており、毛沢東ファミリーですら、習近平の軍内粛清から逃げることができないようだ。 失脚説から一転否定が示す、大混乱 産経新聞、共同通信などが前海軍司令の呉勝利が党の規律違反で取調べを受けているとして、失脚説を報じたが、そ
習近平はアラブ・アフリカ歴訪から帰国後、北京での会議を経て北戴河入りしたとみられる(写真:ロイター/アフロ) 河北省の保養地・北戴河で毎年開かれる党の長老および現役幹部らが一同に会する北戴河会議が始まったようだ。秘密会議なので、会議が始まったことは発表されないのだが、習近平を含む政治局常務委員7人の動静が途絶えた瞬間が、会議の開始とみられている。8月以降、政治局常務委員の動静は途絶えており、多くのメディアが8月3日に習近平が北戴河入りして、会議が始まったと推測している。 さて、北戴河会議の中身は、終わってからしばらくして徐々に漏れ伝わってくるものなので、今の段階でどのような議題があがり、どのような攻防が展開されているかは不明である。ただ8月4日に北戴河会議と並行して、中国社会科学院・工程院院士62人を招いた座談会が開かれていることが、会議の中身と何らかの関係があるやもしれない。 科学院、工
中国最大の民間航空コングロマリット・海南航空集団(HNA)の会長、王健が旅先の南フランス・プロバンス地方の教会で、記念写真を撮ろうと高さ15メートルの壁に上って、転落死した。7月3日のことである。このニュースは、かなり衝撃を持って報じられた。 その理由の一つは、HNA自体がいろいろといわくつきで、習近平自身やその右腕たる現国家副主席の王岐山がらみの黒い噂の絶えない企業であったこと。しかも、ブルームバーグによれば、昨年末時点で負債総額が推計6000億元にのぼり、事実上破綻しているということ。2月には、中国当局が主だった国有銀行にHNA救済を窓口指導し、政府主導のもとでの再建話が進んでいるということ。 一方で、HNAはドイツ銀行やヒルトン・ワールドワイドなど名だたる海外企業の筆頭株主で、その海外資産は120億元以上、国内外合わせた子会社は450社以上で、その再建の成否は国内外企業、経済にかなり
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