さまざまな自動化が進む農作業の中でも、実現が難しいといわれているのが果実や野菜の収穫作業である。中でも、国内における野菜や果物の生産額で最も大きい大玉トマトについては、実が密着して房になっている上に、各トマトの実が成っている方向が異なることもあり、単純な機械で自動収穫するのが難しいとされている。 そこで、NEDOの「革新的ロボット研究開発基盤構築事業」の下で、ヤンマーが持つ農業関連のノウハウやソフトウェア技術などを生かし、2020年11月から開発が進められてきたのが今回披露した大玉トマト収穫ロボットだ。特徴は「収穫するトマトの形状/姿勢認識」と「吸着切断ハンド」の2つである。 「収穫するトマトの形状/姿勢認識」は、収穫対象となるトマトがどこにあるかの位置認識と、トマトの形状やそのトマトの実が付け根の果梗(かこう)から成っている状態を含めた姿勢の認識という2段階で行う。トマトの位置認識は機械