コロナ禍で日本から中国人観光客の姿が消えた。北京五輪で外交ボイコットが叫ばれ、政府が中国をにらんだ「経済安全保障」を唱えてはいるものの、日本人にとって中国の影響が遠ざかったように見える。しかし、チャイナパワーの存在感は、この間ますます増していた──。 昨年12月、日本を代表するグローバル企業ブリヂストンが、自動車エンジンの一部を扱う「防振ゴム事業」を中国の自動車部品会社に今夏中にも売却する予定だというニュースが世間を騒がせた。 このように企業買収などを経て、中国資本に売られる「日の丸ブランド」は数多くある。 2011年には、大手電機メーカーNECが「LAVIE」ブランドで知られるパソコン事業を中国レノボとの合弁会社に移管。同じく「FMV」で知られる富士通も、パソコン事業を手がけていた100%子会社を、社名はそのままでレノボとの合弁会社に移行した(2018年)。 白物家電も同様で、東芝は白物