組織の中で埋もれたアイデアを事業として成立させ、起業家精神を持った社員を育てる――。パナソニックが外部企業と始めたプロジェクトの第1号が11月、始動した。チョコレートドリンクメーカーを販売する新会社「ミツバチプロダクツ」(東京・港)だ。パナソニックは、アイデアを出した社員が新会社の経営に専念するために最大5年間休職できる制度を新設。今後も同じ枠組みで「起業家精神」を持った社員を増やし、パナソニック本体を変えていくのが目的だ。だが、事業が軌道に乗った後、必ずしもパナソニックに戻る必要はないという。どんな取り組みなのか。 「昨日パナソニックを休職し、新たにミツバチプロダクツの代表に就任しました」。11月1日、記者や関係者の前でこう宣言したのは、1997年に九州松下電器(現パナソニック)に入社した浦はつみ氏だ。21年勤めたパナソニックに籍は置いたまま、自らも一部出資して設立したスタートアップ「ミ