2019年3月期の売上高が231億6000万円と、国内の製薬企業の中でも極めて小粒ながら株式市場で大いに注目されているのがJCRファーマだ。ハンター症候群という、国内に約250人、世界全体でも約7800人しか患者がいない超希少疾患を対象とした医薬品の臨床試験で良好な結果が出て、近く承認申請するとみられているからだ。 JCRファーマは2月10日から13日にかけて、米フロリダ州オーランドで開催された国際学会で、開発中の医薬品候補「JR-141」の臨床試験に関する幾つかの発表を行った。JR-141はハンター症候群という希少疾患を対象にした候補品。ハンター症候群は、ムコ多糖という物質を分解する酵素の働きが生まれつき弱いもしくはないために、体の中にムコ多糖が蓄積して様々な症状が現れる遺伝性の疾患だ。この疾患に対して、イデュルスルファーゼという酵素製剤を使った治療が行われているが、従来の薬は静脈に投与