前回のコラムで,正月の箱根駅伝の合間に流れるテレビCMを見ていて「垂直統合モデル」を連想した,と書いた。「品質は作る人の想いから生まれる」と製造工程を紹介する化粧品メーカーや「ものづくり魂で頑張る」と現場の技術者が宣言する自動車メーカーのCMを見ていて,実は,もう一つのフレーズが頭に浮かんだ。「ものづくり能力をベースにしたブランド戦略」である。 というのは,箱根駅伝を見る前に前回紹介した『日経マイクロデバイス』の記事のほかに,『日経ものづくり』誌の最新号も読んでいたからであった。同誌には「直言」というオピニオン・リーダーの方に寄稿していただくコラムがあるが,2007年1月号では,東京大学大学院経済研究科ものづくり経営研究センター研究ディレクター・助教授の新宅純二郎氏が,「ものづくり能力をベースにしたブランド戦略」というタイトルの一文を寄せている(同誌p.210)。 日系企業はアジアでも「高
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