鉛蓄電池のリサイクル候補に ATTACCATOは産業技術総合研究所の電池技術者らが立ち上げた、ちゃんとした(失礼!)電池ベンチャー。シリコン(Si)を負極に使った高容量電池や極低温の環境下でも使える特殊用途電池など、技術力に定評のある企業である。日経BPの電気自動車(EV)分解プロジェクトでは、EV用電池の組成や性能を分析していただいた。 ではなぜ、電池ベンチャーがルアーを開発するのか――。 開発のきっかけは、釣り好きの坂本氏が「自動車用の鉛(Pb)蓄電池をリサイクルすればルアーを作れるのではと思った」ことだった。金属製のルアーである「メタルジグ」の多くがPb製であることが、Pb蓄電池のリサイクルと結びついた。 だが、開発はすぐに壁にぶつかる。リサイクル材が柔らかすぎるのだ。メタルジグに使うPbは、岩や海底などにぶつかっても変形しにくい硬度を確保している。Pbにアンチモン(Sb)を8~12