東北大学の石本淳教授は、ホンダとピストンエンジンの摺動部摩耗をシミュレーションで特定した。潤滑油の流れと機械部品の変形を3次元でシミュレーションする。ピストンピンの弓なりの変形が機械部品の接触を生じさせ、摩耗や焼き付けを起こすと特定した。これまではシミュレーションは不可能と考えられ、負荷試験で検証されてきた。 厚さ数マイクロメートル(マイクロは100万分の1)の潤滑油膜の流れや圧力による粘度変化、機構部品の弾性変形などを同時に解析する。 ピストンピンの変形がそれを包むコンロッドよりも大きく、部品同士の接触が生じると突き止めた。ここが摩耗や焼き付きを起こすと考えられる。 シミュレーション精度は約85%。機構備品の肉厚を増やして変形し難くする設計変更が考えられる。シミュレーションはオープンソフトとして構築。 エンジンに限らず、摩擦のある機構部品全般に適用できる。
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