2016年1月11日、愛知県内のスーパー「Aマートアブヤス神守店」で冷凍食品コーナーを眺めていた女性の視線が、見慣れたパッケージの商品を捉えた。 「あれ。これ、なんで売られてるんだろう」。 油で揚げて調理する前の牛肉の冷凍カツが5枚、透明の袋に詰められていて、オレンジ色の文字で「ビーフカツ」と印字されている。何の変哲もない商品だが、女性には見覚えがあった。女性は「CoCo壱番屋」フランチャイズ店でパートタイマーとして働いていたが、そのパッケージは、本部から同店に配送され、店内で調理して顧客に提供する社内流通の製品にそっくりだった。もしそうだとしたら、本来、消費者向けに販売されるものではない。スーパーの店頭に並んでいるのはおかしい。 女性はすぐに店長に連絡。この情報は、同店長を経由し、あらかじめ決められたルートですぐに壱番屋の本部にもたらされた。同社が店頭で販売された現物を入手して調べたとこ