このような観点から、製品やサービスの本質的な価値を明らかにする概念が、「バリュー・プロポジション(提供価値)」である。 この理論を、実際の企業に当てはめるとどうなるのか? 教科書的なケースとして、星野リゾートのビジネスモデルを分析する。 米国経営学界で多くの受賞歴を持つ国際派の経営学者、三橋平教授と早稲田大学商学部の学生3人による寄稿。ケーススタディーの資料には、このほど刊行された『星野リゾートの事件簿2』を用いた。 筆者は、早稲田大学商学部で教壇に立つ。昨年、担当した講義「経営学」で星野リゾートのケース分析をした。 星野リゾートの星野佳路代表は、「教科書に即した経営」をしているという。とすれば、星野リゾートのケースは、経営学の授業で取り上げるのにふさわしい性質を持つ。 学生が経営分析をするときの課題は、社会経験が限られていることだ。一方で、学生は論理的思考を得意とする。そんな学生であれば