人口は国力の源である。国際関係の構造は、基本的に「大国」が定め、「小国」はその枠組みの中で生き残るすべを探るしかない。コロナ禍の影響もあり、出生数がさらに減る日本は、人口急減に直面し、政府が目標として掲げる「一億人国家」の維持すら危うい状況に陥っている。このまま、我々は手をこまねいて「小国」となることを受け入れざるを得ないのか。 小説形式で、多角的な視点から人口問題を論じた衝撃作『人口戦略法案』を著した山崎史郎氏が、日本が過去に逃した人口急減を止める3度のチャンスとは何だったのか、なぜ今人口対策に緊急に取り組まなければならないのかを解説する。 高齢化率40%の「年老いた国」になる危機 政府は各種の対策を講じているというが、いまだ少子化や人口減少に歯止めがかかっていない。このため、子や孫、さらに将来世代には一体、どのような社会が待ち受けているのか。国民の多くは、日本の将来に大きな不安を抱いて