ロシアのウクライナ侵攻に伴うエネルギー価格の上昇により、あらためて原子力発電所の重要性が増している。ただ、原子力規制委員会は安全審査基準を厳格化しているほか、国民の抵抗感も根強く残り、日本での原発再稼働は道半ばにある。こうした中、日本原子力研究開発機構(原子力機構)の出身者が立ち上げたスタートアップのブロッサムエナジー(東京都文京区)は、より安全な高温ガス炉の社会実装を目指している。 高温ガス炉とは? 東京電力福島第一原発事故などを踏まえ、次世代原発の実用化研究が進んでいる。既存の原発よりも安全に運用でき、施工コストを抑制できるのが特徴だ。その次世代原発の一つである高温ガス炉は、原理的には炉心溶融や水素爆発が起きず、軽水炉よりも安全性が高いとされる。 高温ガス炉は減速材として黒鉛を、冷却剤としてヘリウムガスを採用した原子炉を指す。燃料は耐熱温度1600度C超のセラミックで覆っているほか、炉
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