【ロンドン=中島裕介、ブリュッセル=竹内康雄】英国と欧州連合(EU)は24日、新たな自由貿易協定(FTA)など将来関係を巡る交渉で合意した。ジョンソン英首相とフォンデアライエン欧州委員長がそれぞれ表明した。英・EU間の関税ゼロでの貿易が維持される可能性が極めて高くなった。英EU離脱(ブレグジット)の移行期間である年内中に双方が議会での承認や暫定適用の手続きを済ませれば、懸念されていた年明けから
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(酒井吉廣:中部大学教授) 圧倒的な有利な結果に持ち込んだ英国 英国と欧州連合(EU)の「合意なき離脱」を避けるための交渉は、その期限であった12月20日(日)の後も昼夜を徹して行われ、EU議会が承認できる年内最後の議会開催日(30日)から逆算したギリギリの最終期限とされる12月23日を過ぎた翌24日、ようやく合意に達した。 合意後の記者会見では、まずEUのフォンデアライエン欧州委員長がブリュッセルで「長く風の強い道を歩いてきたが、公平でバランスの取れた合意に達した」と両方の努力を称える発表をした。一方、英国のジョンソン首相はロンドンで「英国は主権を取り戻し、EUを一つとしたFTA(自由貿易協定)の締結交渉に勝利した」と、EUを大切なパートナーと表現しつつも、英国がBrexit(ブレクジット、英国のEU離脱)交渉を成功させたことを強調した。両者はとても対照的だった。 筆者は、2020年10
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