2006年6月に一応の決着を見た高速電力線通信(PLC:power line communication)。PLCモデムを実用化するための技術的条件として,(1)電波遮へい性能および電力線の平衡度が国内の家屋の99%を満たす基準にある条件で,(2)高速PLCを使う家屋から10mもしくは30m離れた場所でPLCが発する電磁ノイズが周辺雑音と同レベルになる――ところのコモン・モード電流の許容値が決められた。(詳細は記事下の参考記事を参照。) こうした経緯を踏まえて,さまざまな立場の方へ取材を行い,日経NETWORK8月号では「PLCって何だろう?」と題した特集記事を掲載した(そのときの取材で受けた印象は,7月7日の「記者のつぶやき「高速電力線通信,推進派と反対派の意見を聞いてみると…」に書かせていただいた)。 許容値が決められたことで,これまで続いてきたPLC推進派と非・推進派の対立には一応の