地震、台風、豪雨……。大規模災害が続くなか、多くの人が犠牲になった。そして、被災した人々はそろって「まさか自分が」と口にする。この「まさか」の心理とは、いったい何だろうか。被害が拡大する背景には「正常性バイアス」という心理が影響している――。そんな実態も専門家の研究によって次第に分かってきた。西日本豪雨の被災地を歩き、「まさか自分が」の現場と心理、その対策を考えた。(廣瀬正樹/Yahoo!ニュース 特集編集部) 200人以上が死亡した西日本豪雨から2カ月近くが過ぎた8月下旬、岡山県倉敷市の真備町に足を運んだ。瓦礫などはもう片付いていた。それでも、住宅の壁や道路に泥がこびりつき、町全体が茶色っぽい。どの建物も1階の内壁は落ち、柱や梁が剥き出しになっている。真備町の浸水は5000棟以上。災害の痕はそう簡単に消えるものではない。
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